マーケティング戦略目線でユニクロを分析!成功の要因を解説!

高品質で低価格なユニクロが実践しているマーケティング戦略を解説します。年齢問わず男女に人気のユニクロをSTP分析、4P分析を使ってマーケティング戦略を紹介します。

目次

ユニクロの企業概念

「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」というステートメントを掲げ、本当に良い服を創造し、世界中のお客様に良い服を着る喜びを提供することで人々の暮らしの充実に貢献するとともに、社会との調和ある発展を遂げることを使命としています。

ユニクロ誕生の歴史

1984年、広島県にユニセックスカジュアル衣料品店「ユニーク・クロージング・ウエアハウス」を開店しました。ユニクロ第1号店の誕生です。
ユニクロの名称は、この第1号店の略称がもとになっていて、当初のスペルは「UNIーCLO」でした。しかし、会社登記の書類で「UNI-QLO」と間違えられたが社長の柳井正がスペルを気に入り採用されたといいます。

ユニクロのマーケティング戦略とは

ユニクロは自社で一貫して商品開発から製造、販売を行うことでコストを削減でき、高品質でありながら低価格で商品を提供しています。

シンプルなデザインで高い機能性と低価格に特化することで市場における優位を確率しています。
たとえば、エアリズムというインナーの商品は手ごろな価格でなめらかな生地で通気性がよく、汗を素早く乾かしてくれる点で多くのユーザーに支持される夏の必需品になっています。

ユニクロは一般的とは異なる手法のマーケティング戦略によりブランディングに成功しました。
大手企業ならではの手法もあり実践では難しい部分もでてきますがうまく応用できれば参考になるでしょう。

4P分析で考えたユニクロのマーケティング戦略

製品(Product):シンプルなデザインでありながら高品質で手ごろな価格で商品を提供しています。さらに、エアリズムやヒートテックなどの高い機能性をもつベーシックなアイテムも扱うことで、幅広い客層にアプローチしています。

価格(Price):ユニクロは、手ごろな価格設定に加えてセールや割引キャンペーンを積極的に行っているのが特徴です。

流通(Place):日本国内だけでなく世界に多くの店舗を展開しています。都市部やショッピングモールに店舗を配置することで、消費者がアクセスしやすい環境を作り上げています。ECサイトも運営しておりオンラインで買い物が出来るのも特徴です。

販促(Promotion):国内では毎週チラシ広告を配布するほか、モバイルアプリの通知を利用することで季節のトレンドやセール情報を配信しています。積極的に新商品のプロモーションを行うことで消費者を飽きさせない販売促進戦略を展開しています。

ユニクロが行ったマーケティング戦略をで解説

競合他社との差別化戦略

ユニクロのファッションコンセプトは「Life Wear=進化し続ける究極の普段着」です。シンプルで高品質な商品は、「Made for All=国籍、性別、年齢」の違いに関わりなく幅広いターゲット層の獲得に成功しています。

ターゲットを絞らない=全ての人がターゲットになり得るという点で競合他社との差別化が図れます。

ユニクロのブランド価値

ユニクロはロングランのヒット商品を長期的に販売することに成功しています。
このことは消費者にとってユニクロは「高品質かつ低価格な商品が購入できる」というイメージの定着に繋がっており、独自のブランディングとポジションの獲得により競合他社との切り分けが出来ています。

STP分析で見るユニクロが実践していること

STP分析とは、以下3つの要素を分析することで商品の市場、顧客、市場内のポジションを明確にするフレームワークです。

  • Segmentation(セグメンテーション):区分け
  • Targeting(ターゲティング):標的設定
  • Positioning(ポジショニング):位置決め

ユニクロのセグメンテーション戦略:SPA

トレンドの変化が激しいアパレル業界では、「ターゲットの絞り方」が課題にあげられます。

しかしユニクロは、自社で企画から製造、販売まで一貫することで、ターゲットを絞るのではなく顧客のニーズに応えながらコストを押さえるという強みに着目しました。

SPA(Specialty store retailer of Private label Apparel)とは、企画から製造、販売まで一貫してする製造小売業と呼ばれるビジネスモデルです。

ユニクロのターゲティング戦略:縛らず欲しいを分析

ユニクロのターゲティングは顧客属性を縛らずに、顧客のニーズを中心に考えています。
ユニクロは顧客ニーズを以下のように考えました。

  • 流行に左右されない洋服
  • 日常で着るシンプルで安価な洋服

ユニクロの商品はカテゴリーが婦人服、紳士服に分かれているものの老若男女問わず着用できる商品を提供しています。
ユニクロは、そんな顧客の「欲しい」を分析して商品を開発、販売しているのです。

ユニクロのポジショニング戦略:競合と違う立ち位置

ユニクロの競合として、ZARAやH&Mなどがあります。ファストファッションブランドという括りになり同じ立ち位置に見えますが、実はポジションがしっかり分かれています。

ZARAやH&Mは常に最新トレンドを追うことに注力してマーケティングを行っています。
一方のユニクロは既に安定してるトレンド、売れ行きが確かな商品を大量生産することで利益を上げています。
ファストファッションという市場の中でも、ユニクロは競合他社と棲み分けをすることでポジションを確立しています。

ユニクロのマーケティング戦略が成功した要因とは

ユニクロが独自のマーケティング戦略を展開することによって成功した要因を解説します。

商品コンセプトの確立とブランドイメージ

ユニクロのコンセプトは「Life Wear=進化し続ける究極の普段着」で、誰でも毎日気軽に着れる普段着を手軽な値段で販売してきました。
これによりユーザーのなかで「ベーシックな普段着=ユニクロ」というイメージが定着して、独自のブランドを確立しました。

独自性のあるマーケティング

ユニクロはテレビCMやチラシ広告など様々な媒体を活用して広告を打っています。
テレビCMでは着用シチュエーションや機能性などを謳ったものが多いです。これは着用した際のイメージを伝えるためにとても効果があります。

ユニクロのチラシ広告では必ず毎週届けられます。これは単純接触効果が生まれ、認知度を上げることができます。
単純接触効果とは、繰り返し見たり、会ったり、接触する回数が増えるほど、警戒心が薄れていき、親しみや親近感を感じるという効果です。
このようにユニクロの広告には顧客の心理をついたテクニックも含まれていることが分かります。

まとめ

ユニクロは国内だけでなく世界的に注目されるファストファッションブランドです。ユニクロの成功の背景には、独自の観点から自社の強みと顧客のニーズを分析するマーケティング戦略があります。
紹介した実例を参考に、自社のマーケティング戦略に落とし込んで、効果的に活用していきましょう。

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