【これだけは抑えておきたい】代表的なフレームワークを5つご紹介し、それぞれ活用する上のポイントや具体例を解説します。

日々の業務の中で皆さんは戦略を立ててマーケティングを行っていると思います。                   しかし、いきなり「マーケティング戦略を考えよう!」と思っても急にさまざまな案が思いつく方は少ないのではないでしょうか。                                                        今回は代表的なフレームワークを5つご紹介するとともに、どういった考え方で業務に取り入れたらいいのかまで分かりやすく解説します。

目次

マーケティング×フレームワークとは?

ビジネスにおけるフレームワークは、状況把握や課題認知、課題解決をする上で用いられます。広告運用で一定の成果を出すには、Google広告やYahoo!広告、Facebook広告等の媒体別に利用者の特徴を理解したり、媒体別のプロダクト理解が不可欠です。具体的には、「誰に」「いつ」「何を」「どのくらいの予算で売るのか」「商品のブランディングをどうするか」等を考えることです。                                               考えることがたくさんあるのでなんだか難しそうに思われますが、実際に簡単にできることではありません。       しかし、フレームワークという制限をあえて設けることで、今まで気づけなかった点に導くきっかけに繋がります。

代表的なフレームワーク5選

フレームワークはいくつもありますが、手段や目的に応じて活用できるものは異なります。ご自身の現状と照らし合わせて選択してください。

①4C分析

4C分析とは、「Customer Value(顧客にとってどんな価値があるのか)」「Customer Cost(顧客にとって適正な価格かどうか)」「Convenience(顧客にとって便利であるか利用しやすいものか)」「Communication(顧客にとって有意義なコミュニケーションであるか)」の4つの視点を用いて分析します。

ポイント

4つのCがそれぞれ顧客のニーズを満たしているのかが重要です。

具体例

例えば、プレミアム感を出したのに他者の商品と価格競争をしていたり、小売店ではなくネット通販で販売しているのに対応しているクレジットカード決済の種類が少ない場合があります。 

商品・サービスの価格は確かに重要な要素の1つですがそれだけでは売れません。                   商品・サービスに対する質やブランド力、アフターフォロー等を顧客が十分に価値を感じられるようなプロダクトにしていくことが重要となります。

②4P分析

4P分析とは、「Product(どのような商品・サービスを提供するのか)」「Price(その商品・サービスをいくらで提供するのか)」「Place(その商品・サービスをどのように提供するのか)」「Promotion(その商品・サービスをどのように販促するのか)」の4つの視点を用いて分析します。

先ほどの4C分析は顧客視点に立った分析方法ですが、4Pは企業視点に立った分析となります。

ポイント

4つのPがそれぞれプロダクトに沿っているのかです。

具体例

例えば、新規顧客の獲得に力を入れているのにリピートしてくれた顧客への特典を増やしていたり、高めの年齢層を狙っているのにTwitterやInstagram等のSNS広告に偏って配信してしまっている場合があります
特に担当者がそれぞれ違っていたりすると整合性がしっかりとれていないことがあるためプロダクトの共有が重要となります。

③STP分析

STP分析とは、「Segmentation(市場の細分化)」「Targeting(ターゲット設定)」「Positioning(立ち位置の決定)」の3つの視点を用いて分析します。

市場の細分化を行った上でどのようなターゲティングをするのかペルソナを用いて明確化し、自社の強みを活かして競合他者と差別化する際に活用できます。

ポイント

市場の細分化では年齢や性別、職種、地域等で細分化することができます。もちろんもっと細かくしていくことも可能ですが、絞りすぎてしまうとこんどはマーケットのボリュームが小さくなりすぎてしまう場合があります。ターゲティングでは、細分化した市場の中で自社の商品・サービスのブランドイメージやプロダクト等に合致している市場を的確に選択します。ポジショニングでは、市場やターゲティングが被っている競合他者との差別化をどう図れるかが重要となります。

具体例

例えば、「初めてでも分かりやすい」「価格は安すぎないがバリエーションが豊富」等で自社の強みを活かした立ち位置を決めましょう。

④SWOT分析

SWOT分析とは、「Strength(自社の強み)」「Weakness(自社の弱み)」「Opportunity(市場の変化に応じてうまれる機会)」「Threat(市場の変化に応じて失われる機会)」の4つの視点を用いて分析します。

ポイント

前提知識が必要となります。市場の細分化やターゲティング、競合他社への理解が曖昧な場合、それに付随しているチャンスや脅威、自社の強みや弱みが定まっていない分析となってしまうからです。 更に、自社の商品・サービスを強みか弱みのどちらかに分類しなければならないという点です。具体的には、分析する人の考え方に応じて強みにも弱みにもとれてしまうという点です。できれば他の人の意見も分析の参考にできるといいかと思います。

具体例

例えば、「特定の地域や市場に特化しており、新たな市場への進出や多様な顧客ニーズへの対応に制約がある。」「他の企業や研究機関とのパートナーシップを構築することで、新たなビジネスチャンスを創出することができる。」「顧客のニーズや嗜好の変化に迅速に対応できない場合、市場シェアの低下や需要の減少が起こる可能性がある。」等の組織や製品の内部状況(強みと弱み)と外部環境(機会と脅威)を明らかにすることで組織の現状を把握します。

外部環境と内部環境についての補足

外部環境についての補足として、市場の変化に応じてうまれる機会と失われる脅威としてどのようなものがあるのか例をいくつかご紹介します。「市場規模の成長性」「競合の状況変化」「景気や経済状況」「法律の新規制定・改正」等があります。 内部環境で自社の状況や課題を明確にするとともに、外部環境で自社ではコントロールしにくい要因を素早く発見し対処もしやすくなります。

⑤クロスSWOT分析

クロスSWOT分析は、上記のSWOT分析と一見似ており、SWOT分析では主に状況の把握を行う上でとても優れている分析手段である一方、クロスSWOT分析は状況を整理した上で戦略や戦術を立てるのに優れています。

強み × 機会

自社の強みを用いて市場の変化に応じてうまれる機会にどう活かせられるかを考えることで、会社や事業の成長に貢献します。

強み × 脅威

自社の強みを用いて、脅威による影響を抑制したり、見せ方を変えることで機会として活かせる場合があります。脅威による影響を抑制したり、回避することも重要ですが、傾向を逆手にとることで機会として活かせられないかまで考えられると成長に貢献する可能性があります。

弱み × 機会

自社の弱みによって失われている機会をただ放置しているだけでなく、今まで弱みだと思っていた面を見せ方を変えることで強みにも感じられるようプロダクトを改善したり、同じ弱みを抱えている競合他社はどのような見せ方をしているのかを分析することで成長の幅や規模を広げられるチャンスが眠っているかもしれません。

弱み × 脅威

自社の弱みをしっかりと理解し、市場の傾向として脅威となる部分に関しては影響を最小限に抑制する又は、撤退するという選択肢も考えなければなりません。事前に把握し対策を備えておくことで別の機会へ素早くシフトすることが可能となります。

具体例

例えば、人材リソースが不足しているという(弱み)×フリーランスで仕事がなかなか獲得できない人がいるor副業として仕事を探している人がいるという(機会)を組み合わせ、業務委託を増やすことで人的コストを抑えつつ業務の幅や規模を広げられる可能性があります。
飲食店の場合、ウイルスが蔓延し来店者数が激減したり、営業時間が短縮せざるを得ない(脅威)×宅配サービスやドライブスルー、冷凍食品化することで脅威を最小限に抑えつつ売上を出したり、新規顧客の開拓チャンスにもなり得る可能性があります。

今まで固定化されていた概念にとらわれずに分析することで新たな戦略や施策が立てやすくなります。

まとめ

今回ご紹介させていただいたフレームワークはどれも会社や事業の成長に大きく貢献してくれるものばかりです。しかし、万能というわけではありません。それぞれが適した状況で取り入れることで最大限のパフォーマンスが発揮できるよう目的を明確化し、理解を深めていくことが最も重要となります。

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