効果的な成長を実現するために使えるマーケティング戦略フレームワーク10選!

ビジネスの事業活動に関わる課題解決や目標設定、アイデア出しやマーケティングなどに活用が可能なフレームワークですが、具体的にイメージできていない人も多いのではないでしょうか?本記事では、事業活動に関わる情報整理や分析、意思決定を進める判断材料としてマーケティングの戦略で役立つフレームワーク10個を解説していきます。

目次

マーケティング戦略におけるフレームワークとは?

マーケティングのフレームワークとは、マーケティング戦略を立てる上で分析し、洗い出しをした問題を整理し、自社に必要なアクションを明確にすることのできる枠組みになります。
フレームワークには用途によって、様々なパターンが存在しており、それぞれ役割が違います。
フレームワークは必要なときに必要なものを選んで使う必要があります。戦略から戦術まで考えるフェーズとして「調査フェーズ」「戦略フェーズ」「戦略から戦術への橋渡しフェーズ」「戦術フェーズ」があります。これらを反対から実行しても効果が薄くなるため、必要なフェーズごとの見直しでなければ、頭から実施することをおすすめします。本記事のフレームワークは上から順に実施することで効果的な戦術がうまれるように並べておりますので参考にしていただければと思います。

マーケティング戦略にフレームワークを利用するメリットや役割

フレームワークを使うメリットとして、マーケティングの知識が浅い人でも、戦略立案の最初にフレームワークを使うことによって自社の現状や強み、弱みの確認、競合他社との比較などを体系的にできる点があります。
課題の整理や自社が抱える問題に適したフレームワークを使うことによって、解決までに何を考えたら良いか枠組みがあり、考える時間が削減できるため作業の効率化を図ることができます。
俯瞰的な分析や抑えるべきポイントを論理的に考えてまとめる事ができ、人に説明するときも相手にイメージが伝わりやすくなることもメリットの1つです。戦略は基本的に自分の中だけでとどめておくものではなく、同じ課題に向かう同僚や上司、部下に対して共有し目線合わせをすることが多いため、整理したものをすぐアウトプットとして共有できる点は事業推進に重要なことになります。

マーケティングフレームワーク10個をそれぞれ解説!

PEST分析

Politics(政治)Economy(経済)Society(社会・ライフスタイル)Technology(技術)
この4つは企業を取り巻く変化し続ける外部環境でいずれも自己的に制御できない要因ですが、自社に影響を与えるものになります。そのため、PEST分析は世の中の動向を理解し、将来起こりうる変化を予測対応することでチャンスやリスクを捉えることが目的のフレームワークとして効果的です。

5F分析

業界内での競争、業界への新規参入者、代替品の存在、買い手(顧客)の交渉力、売り手(サプライヤー)の交渉力
5F分析は5Forces(ファイブフォース)分析と呼ばれ、「5つの脅威」という視点で業界の分析し、以下の項目を整理することで業界の収益性や成長性を見積もるためのフレームワークです。

業界内での競争:競合が増えれば増えるほどにオリジナル性やブランド力がなければ収益が見込めなくなるため、自社も含めた競合を分析し、どのくらい激しい業界なのか知る必要があるため、現状のシェアがどうなっているかを調査します。
新規参入の脅威:他社が新規参入しやすいかどうかは今度のシェア分配に影響がある項目のため調査が必要です。参入障壁が低ければ次第に価格競争が起こり収益性が下がる可能性があります。逆にハードルが高い(技術面など)場合は魅力もあり、一定以上の収益確保が見込めます。
代替品の脅威:直接的な競合でなくても、同じ価値を見いだせるものがないかを分析します。例えば、アイスは甘いものを食べたい顧客のニーズに対応しますが、同様に同じような場所に置かれているデザートも同じニーズを満たすことができる代替品になります。同一業界だけ見ていて、他業界にシェアを取られることがないかを見積もる必要があります。
売り手の交渉力:仕入部材の需要過多の度合い、差別化のしやすさ、価格相場のブラックボックス性、供給業者の寡占度によって、原価コントロールがしやすいかどうかを確認します。売り手が強い場合は収益性の担保が難しくなる可能性があります。
買い手の交渉力:供給過剰の度合い、差別化のしにくさ、価格相場のオープン性、買い手の寡占度の度合いによって売上のあげやすさが決まります。業界の状態や自社が入る際のポジションがどうなるかを推定しておきましょう。


3C分析


Customer(市場・顧客)Competitor(競合)Company(自社)
3C分析は市場環境分析に使われるフレームワークで、市場・顧客のニーズを探ります。それから競合他社がどのような対応しているか、顧客の評価を加えて、強み、弱みを洗い出します。これらを踏まえて自社の価値や魅力をどのように広めれば良いかの判断に活用します。3項目の表面をなぞるのではなく、顧客が誰で、どんな価値基準を持っていて、価値基準別の競合がどこで、その上で自分たちの戦う土俵がどこで、どんな価値を提供するのかを考えることが重要で、マーケティングフレームワークワークで最も有名なフレームワークの1つですが、奥が深いものでもあります。

SWOT分析

Strength(強み)Weakness(弱み)Opportunity(機会)Threat(脅威)
内部環境である自社の「強み」「弱み」と、外部環境である変化などの「機会」、競合他社の動きなどの「脅威」を把握し改善策や方向性を見つけ出すことを目的とします。
自社にとってプラス面だけでなくマイナス面な要素にも目を向けることで、現状を把握だけでなく将来を見据えることが出来る手法になります。


クロスSWOT分析

【Strength(強み)×Opportunity(機会)】【Strength(強み)×Threat(脅威)】Weakness(弱み)×Opportunity(機会)】【Weakness(弱み)×Threat(脅威)
SWOT分析の違いは、SWOT分析は単一の組織の内部環境と外部環境の状況が把握でき、クロスSWOTはSWOTで洗い出した4つの要素を掛け合わせて戦略や施策に繋げる方法です。SO戦略、ST戦略、WO戦略、WT戦略と呼ばれていて、それぞれに当てはめることで見えてくるものがあります。

  • SO戦略(強み×機会): 強みを活かしながら、市場参入やシェア拡大を狙うための方法。
  • ST戦略(強み×脅威): 強みを活かして、驚異の要素の影響を抑えるために差別化できるポイントを探す方法。
  • WO戦略(弱み×機会): 弱みを克服して、ビジネスチャンスを獲得するための方法。さらに弱みを強みに変えられるように改善案を洗い出す。
  • WT戦略(弱み×脅威): 弱みを理解し、脅威を分析することで最悪の事態を回避するための方法。WT戦略で多く洗い出すことにより事業の不安を減らすことが出来る。

STP分析

「Segmentation(セグメンテーション:区分け)」「Targeting(ターゲティング:標的設定)」「Positioning(ポジショニング:位置決め)」
「セグメンテーション」で市場の全体像を把握し、「ターゲティング」でその中から狙うべき市場を定め、「ポジショニング」で競合他社との位置関係を決めるという流れで誰(Who)に価値を提供するのか定めるフレームワークです。

セグメンテーション:セグメント(集団)に不特定多数の人間のニーズで分けることで、それぞれに適応した戦略が立てられ施設立案が可能になります。セグメンテーションとは市場の細分化で年齢、性別、形態などで分けるデモグラフィックなものや、地域で分けるジオグラフィックなものがありますが、最もマーケティング施策に効果的なのは顧客の価値基準で分けるサイコグラフィックな分け方になります。
ターゲティング:セグメンテーションで分けたユーザー層に自社の製品・サービスに合うターゲットを見つけることで、
効果的なマーケティング戦略に繋げることが出来ます。
ポジショニング:自社の製品・サービスを客観視したときに、競合他社との差別化が図れているか立ち位置を明確にして、ユーザーに求められている事をマーケティング戦略に取り入れることが出来ます。

POD/POP/POF分析

POD(Point of Difference)POP(Point of Parity)POF(Point of Failure
POD、POP、POFの分析は、製品やサービスを評価するための3つの異なる観点から、自社の提供価値が他社と比較して本当に価値があるのかを考えるためのフレームワークになります。

  • POP: 競合他社と同等または最低限となる要素。顧客にとって最低限の基準や期待を満たすことが重要であり、これらの要素を持つことで、最低限の競争力を維持することができます。
  • POD: 競合他社には無く、自社ならではの強みとなる要素。この要素の分析は企業が他社と比較して顧客に提供できる独自の価値や利点を明確にすることが目的です。これにより、製品やサービスの強みを強調し、競争力を高めることができます。
  • POF: 顧客が製品やサービスを選択しない理由や、顧客の不満や不足点を特定する要素。企業は自社の製品やサービスの不足点を把握し、改善することで顧客満足度を向上させることができます。POFを克服しPOPに上げることで、競争力を維持し、顧客ロイヤルティを高めることができます。POFがあると顧客に選んでもらえない要因となるため取り除くことが重要です。

これらの分析を組み合わせて行うことで、企業は自社の位置付けや競争力を評価し、効果的な戦略を策定することができます。

ブランドエクイティ・ピラミッド

ブランドエクイティとは「消費者の頭の中にあるブランドに対するイメージ」であり、「消費者が商品を購入する根本的な理由」のことを指します。ピラミッドで考える際に、どの市場で、誰に(価値と言える根拠を添えて)どんな価値をどうやって届けるのか、届けたときのイメージはどんなものかを整理することが重要です。
このフレームワークは、他のフレームワークより先に整理しても、顧客や市場のことを理解できていない状態のため、最後にまとめるようなイメージで使用するのがポイントです。

4P分析


Product(製品・商品)Price(価格)Promotion(広告、販売販促)Place(流通)
4P分析はマーケティング施策立案に使われるフレームワークで、売り手側目線で、「どのような製品・商品を提供するか」「その製品・商品はいくらで提供するか」「その製品・商品をどのように知ってもらうか」「どのように届けるか」を明確にします。その製品のターゲットになる人たちが、どんなニーズを持っているのか、そして自社の製品はターゲットのニーズにどうやって応えることが出来るかを明確にすることが出来ます。

4C分析

Customer Value(顧客価値)Customer cost(顧客コスト)Convenience(利便性)Communication(コミュニケーション)
上記の4P分析は売り手目線に対して、4C分析は買い手側の目線で、顧客価値とは製品、商品に顧客が求めるものを指します。その製品に対し機能性、品質、ブランド、デザイン、アフターケアなど様々な価値を求めていて、それに基づいたコストの設定をすることが重要です。利便性においてもサービスの提供方法や立地も考えて、いかに分かりやすく扱いやすいものにするかも重要になります。コミュニケーションはどんな意思疎通によって商品・サービスを届けることができるかを考えるものになります。

まとめ

マーケティング戦略に必要不可欠なワークフレームを10個紹介させていただきました。
これが正解!というものは存在しません。そのため、目的に応じた手法で自分の現状や環境を分析し、フレームワークに当てはめることで状況・情報を再確認をし、より効果的なマーケティング戦略に活かしていきましょう。

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