BtoCマーケティングとBtoBマーケティングの違いは?抑えておくべきポイント8選を紹介

BtoBとBtoCの違いの一番大きなポイントは対象ターゲットです。それに伴う異なる特徴をまとめました。本記事を読んで、自社が考えるべきマーケティングはどちらか、それぞれどのようなポイントを抑えておくべきなのかを紹介します。

目次

BtoCマーケティングとは

BtoCマーケティングは、企業が直接消費者に製品やサービスを提供する手法のことです。

BtoCマーケティングでは、広告、プロモーション、直接販売、デジタルマーケティングなど、さまざまな戦略を用いて行われます。

戦略の目的は、企業の市場での競争力を維持してポジションを確立させるために、顧客に製品やサービスの魅力をアピールし、製品やサービスへの関心を向上させて売上を増加させることにあります。

BtoBマーケティングとは

BtoBマーケティングは、BtoCマーケティングとは異なり、他の企業や組織がもつ特定のニーズに対応する必要があります。ターゲットとなるビジネスの具体的なニーズを理解し、顧客との長期的な関係を構築することで最終的に製品やサービスの販売を目的とします。

BtoCとBtoBのマーケティングの違い8選

BtoCとBtoBのマーケティングでは、さまざまな違いが存在します。これらの違いを理解することで、各市場が求める価値に対して適切なマーケティング戦略の策定ができます。ここでは、その違いについて8つのポイントで解説します。

【その1】対象とするターゲット

BtoBマーケティング
BtoBマーケティングは、ビジネスからビジネスへのマーケティングであり、そのターゲットは主に他の企業や組織です。企業は具体的なビジネス上の問題や課題を解決できる製品やサービスを求める傾向にあります。

BtoCマーケティング
消費者は、個人的なニーズや欲求を満たす製品やサービスを求めています。したがって、BtoBマーケティングでは製品やサービスの機能性やビジネス価値が強調され、BtoCマーケティングでは製品やサービスの感情的な魅力や利便性が強調されているのが特徴です。

【その2】決裁者

BtoBマーケティングとBtoCマーケティングにおける決裁者の違いは、マーケティング戦略の設計において重要な影響を与えます。BtoBマーケティングの決裁者は通常、組織内の複数の人々から成る購買チームであり、その決定は複雑なプロセスからなります。これに対し、BtoCマーケティングの決裁者は個々の消費者であり、直感や感情に基づいて商品やサービスを選ぶことが多いです。

BtoBマーケティング
決裁者は主にビジネスの成果に関心を持ち、ROI(投資利益率)や利益増加、効率化などの具体的な指標を基に製品やサービスを評価します。そのため、マーケティングメッセージは製品やサービスの具体的な利点や価値を明確に示す必要があります。

BtoCマーケティング
決裁者である消費者は、製品やサービスが自分のライフスタイルや個人的な価値観にどの程度合致するかを重視します。感情的な魅力やブランドのイメージが購買意欲に大きな影響を与えるため、マーケティングメッセージは消費者の感情や欲求に訴えることが重要です。

【その3】顧客の検討期間

BtoBマーケティング
企業の決定過程は、複数の部署と役職からなるチームによって行われるため、購入プロセスまでの期間は長く、顧客との友好的な関係を構築する必要があります。

BtoCマーケティング
個々の消費者によって製品やサービスの選択が行われます。消費者は、自分自身のニーズや欲求に基づいて購入を決めるため、BtoBとは違い購入までの期間は短い傾向にあります。

【その4】販売方法

BtoBマーケティング
BtoBの購入プロセスは、長期間にわたり進行します。このプロセスは、製品やサービスの効果検証、顧客との面談、提案の提出など、多くの段階を含むことがあります。


BtoCマーケティング

逆にBtoCの購入プロセスは、比較的短期間で行われ、直接的なアプローチが一般的です。その方法は、店頭での販売やオンラインでの直接購入、または広告による購入促進などが含まれます。

【その5】顧客との関係

BtoBマーケティング
顧客との関係は長期的なパートナーシップとして捉えられます。ビジネスのニーズを深く理解し、そのニーズに対応するカスタマイズされたサービスを提供することで、信頼関係とロイヤリティを築くことが重要となります。

BtoCマーケティング
BtoCでは、BtoBの長期的な取引とは異なり、個々の消費者の購買行動や好みに焦点を当てます。そのため、多くのファンを作るために製品やサービスが消費者のライフスタイルや感情にどのように対応するかが重要となります。

【その6】ブランドスイッチの頻度

ブランドスイッチとは、顧客が他社の類似製品に乗り換えることです。


BtoBマーケティング

企業間の取引は長期的な契約やパートナーシップに基づくことが多いため、ブランドスイッチは比較的少ない傾向があります。これは、新しいビジネスパートナーへの移行がコストと時間を伴うため、企業は既存の関係を維持することを優先することが多いからです。

BtoCマーケティング
BtoBとは異なり、消費者は新製品やサービス、またはより魅力的なプロモーションを提供するブランドにスイッチすることがより頻繁にあります。その要因は消費者の購買行動が個々のニーズや欲求、そして市場の動向に大きく影響されるためです。

【その7】扱う商品/サービス

BtoBマーケティング
BtoBでは提供されるサービスは通常、企業の運営や成長に直接貢献するものであり、たとえばソフトウェアや機器、専門的なコンサルティングなどが含まれます。

BtoCマーケティング
BtoCでは、提供されるサービスは個々の消費者のライフスタイルや個人的なニーズに対応するもので、レジャーやエンターテイメント、日常の便利さを提供する製品やサービスなどがあります。

【その8】価格

BtoBマーケティング
BtoBでは、提供する製品やサービスは、高価で複雑であることが多く、それゆえに価格は大量購入や長期契約、特別な取引条件などによって調整されることが一般的です。

BtoCマーケティング
個々の消費者向けの製品やサービスは、価格は市場の競争状況、消費者の購買力、製品の品質やブランドイメージなどによって決定されます。

どちらも顧客の購入意欲とロイヤリティに直接影響を与えるため、適切な価格設定は極めて重要になります。

BtoC/BtoBマーケティングに共通している重要ポイント

誰に、どんな価値を、どうやって届けるのか

BtoCマーケティングとBtoBマーケティングは、それぞれ異なる対象の一方で、目標は共通しています。それは「誰に、どんな価値を、どうやって届けるのか」を明確にすることです。

「誰に」では、顧客のニーズと期待を理解し、最適な製品やサービスを提供することが求められます。

「どんな価値を」では、製品やサービスが顧客にどのような価値を提供するのかを明確に伝えることが重要です。明確にすることで顧客が製品やサービスの利点を理解し、それが自身のニーズにどのような効果を与えるかの把握ができます。

「どうやって届けるのか」では、最適なチャネルとコミュニケーション方法を選択し、顧客に製品やサービスを効果的に提供することが求められます。

競合の多さや特徴

マーケティングにおいて、競合の多さや特徴は重要な観点であり、それぞれのマーケティング戦略を形成する上で大きな影響を与えます。市場には多くの企業が存在し、それぞれが独自の製品やサービスを提供して競争しています。そのため、自社の製品やサービスがどのように競合から差別化されるかを明確に理解し、自社のメリットを顧客に伝えることが重要です。
また、競合企業の特徴を理解することで、自社の強みと弱みを把握して、より効果的なマーケティング戦略を策定することが可能になります。

顧客に選んでもらえる自社の強み

市場は競争が激しく、顧客が自社を選ぶためには、他社と差別化された独自の価値提案が必要になります。製品の品質、価格、サービス、ブランドイメージなど、自社の強みが具体的に何であるかを明確に把握することで顧客に効果的に伝えることができます。

顧客が自社の製品やサービスを選ぶ理由を理解することで、強みを強調し、さらに強化することが可能になります。このプロセスは、自社の競争力を向上させ、顧客のロイヤルティを高め、最終的にはビジネスの成功につながる重要な戦略です。

まとめ

BtoB(ビジネス・トゥ・ビジネス)マーケティングとBtoC(ビジネス・トゥ・コンシューマー)マーケティングは、それぞれ対象へのアプローチは異なりますが、いくつか重要な共通点も持っています。アプローチの違いを理解し、それぞれの顧客が求める価値を提供すること、自社の競争力を理解し強化すること、そして競合他社との差別化を図ること、これらを適切に組み合わせることで、企業は市場での成功を実現することができます。

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