広告費をかけてアクセスは集まっているのに、なぜか問い合わせが来ない…
デザインはプロに頼んで綺麗に作ったはずなのに、商品が全く売れない…
もしあなたが今、このような壁に直面しているのなら、それは必ずしも御社の商品やサービスが悪いからではありません。多くのケースにおいて、その原因はランディングページ(LP)の作り方の順序と、その根底にある設計思想のズレにあると考えられます。
Web集客において、LPはビジネスの成否を分ける最後の砦です。 しかし、多くの中小企業がLP=ただの商品紹介ページと捉え、見た目のデザインや小手先のテクニックに終始してしまっています。その結果、本来得られるはずだった売上を取り逃がしている現状があります。
本記事では、数多くの中小企業のWeb集客を支援してきた専門家の視点から、「なぜ貴社のLPは売れないのか」という根本的な問いに向き合い、成果を出し続けるための正しいLPの作り方を体系的に解説します。
単なるツールの使い方やデザイン論ではありません。経営者やマーケティング担当者が知っておくべき、売上に直結する戦略設計から泥臭い実行プロセスまでを、ご紹介します。
ランディングページ(LP)とは何か?

本格的なノウハウに入る前に、まずは前提となる知識を整理しましょう。「ホームページ(HP)があればランディングページ(LP)はいらないのではないか?」という疑問を持つ方も多いですが、両者は全く異なる役割を持つツールです。ここを混同することが、Web集客失敗の第一歩となります。
ホームページ(HP)とランディングページ(LP)の違い
結論から申し上げますと、ホームページ(HP)とランディングページ(LP)では「目的」と「ゴール」が決定的に異なります。
1. ホームページ(HP)=「会社の名刺・カタログ」
HPの役割は、会社やブランド全体の情報を網羅的に伝え、信頼を獲得することです。 訪れるユーザーの動機は様々です。どんな会社か知りたい(採用)商品の種類を見たい(検討)住所を知りたい(アクセス)など多岐にわたります。そのため、HPには「会社概要」「製品一覧」「採用情報」「ブログ」など、多数のページへのリンク(出口)が用意されています。ユーザーは自分の興味に合わせて自由にサイト内を回遊します。
2. ランディングページ(LP)=「敏腕セールスマン・チラシ」
対してLPの役割は、一つの商品を、特定のターゲットに売り込み、行動(決断)させることに特化しています。 LPには、基本的に他ページへのリンクが存在しません(※フッターなどの必須項目を除く)。あるのは「購入する」「問い合わせる」といったコンバージョン(CV)ボタンのみです。
- HP: 出口がたくさんある広場。ユーザーは好きな場所に行き、好きなタイミングで去る。
- LP: 出口が一つしかない一本道。ユーザーを入れたら、ゴール(CV)まで脇目も振らせず誘導する。
もし、広告をクリックしたユーザーをHPのトップページに誘導してしまうとどうなるでしょうか? ユーザーは「探している情報がどこにあるか分からない」と迷子になり、面倒になって数秒で離脱します。これを防ぎ、確実に行動を促すためにLPが必要なのです。
なぜ今、中小企業にLPが必要なのか?
特にリソースが限られている中小企業こそ、LPという「資産」を持つべき強い理由があります。
理由1:Web広告やSNSの効果を最大化する
現在、Googleリスティング広告やInstagram広告、YouTube広告など、Web集客の手段は多様化しています。これらの広告から流入してくるユーザーは、「今すぐ悩みを解決したい」「この商品が気になる」という明確な動機(ニーズ)を持っています。 その熱量が高い状態で、そのニーズにピンポイントで応える専用のLPに着地させることで、成約率はHP誘導時に比べて数倍〜数十倍に跳ね上がります。LPがない状態での広告出稿は、穴の空いたバケツに水を注ぐようなものです。
理由2:24時間働く最強の営業マン
優秀な営業マンを一人採用し、育成するには多大なコストと時間がかかります。しかも、人間は24時間働き続けることはできませんし、時にはスランプもあります。 しかし、一度「売れる勝ちパターン」を構築したLPは違います。深夜でも早朝でも、日本中どこからのアクセスに対しても、御社の商品の魅力を100%のクオリティでプレゼンし、注文や問い合わせを獲得し続けます。 長い目で見れば、これほどコストパフォーマンスの良い(ROI)が高い営業資産はありません。
ランディングページ作り方の失敗パターン
LPの重要性は分かった。でも、過去に作ったけど全然売れなかった…
そんな経験をお持ちの方もいるでしょう。実は、失敗するLPには明確な共通点があります。ここでは、多くの中小企業が陥りがちな落とし穴について解説します。
デザインが綺麗なら売れるという勘違い
最も多い失敗が、デザインへの過度な依存です。 「とにかくオシャレにしてほしい」「競合よりもかっこいいページにしたい」。制作会社にこうオーダーしていませんか?
もちろん、信頼性を損なうような粗雑なデザインは論外です。しかし、顧客はお金を払って「デザイン」を買うわけではありません。顧客が買っているのは、悩みが解決された未来であることが多いです。 どれだけ写真が美しくても、アニメーションがリッチでも、顧客の心に刺さっていなければ、期待するような成果(売上)には繋がらないでしょう。
【失敗例】
ファーストビュー(FV)がイメージ画像のみ: フリー素材など、何の商品か一目で分からない。
自分語りが多い: 開発秘話や創業の歴史が冒頭から延々と続く。
専門用語の羅列: 業界人にしか分からないスペックや技術用語ばかりで、顧客に伝わっていない。
これらは「売り手側の論理」で作られたLPです。ユーザーは自分にとってどんな得があるかを判断します。その間にメリットを提示できなければ、どんなに美しいデザインでも閉じられてしまいます。
ターゲット(Who)が曖昧な構成
「20代から60代まで、男性にも女性にも使ってほしい」「個人のお客様も、法人のお客様も歓迎です」
このようにターゲットを広げすぎることは、LPにおいて致命的なミスとなりかねません。
例えば、「誰にでもおすすめのサプリメント」と言われて、欲しいと思うでしょうか? 一方で、「30代後半、最近疲れが取れにくく、朝起きるのが辛い働く女性のためのサプリメント」と言われたらどうでしょう。該当する人は「まさに私のことだ」と反応し、読み進めてくれるはずです。
【専門的な視点:ペルソナの重要性】

ターゲット設定において、「30代女性・会社員」といった「属性(デモグラフィック)」だけでは不十分です。 「どんな生活をしていて、夜は何時に寝て、週末は何をしているのか」「今、何に一番ストレスを感じているのか」。そこまで具体的にイメージした架空の顧客像=ペルソナを設定する必要があります。
ターゲットが広いLPは、誰の心にも引っかかりません。たった一人のペルソナに向けて書かれた手紙のようなLPこそが、結果として多くの人の心を動かすのです。
売れるLPを作る3つのステップ


では、失敗パターンを回避し、確実に成果を出すためにはどうすればよいのでしょうか。ここからは、プロが実践している売れるLP制作の具体的な3ステップを解説します。
重要なのは、いきなりデザインソフトを開かないことです。制作工程の約9割は、PCに向かう前の「設計」で決まります。
【設計】顧客のインサイトを深掘りする
最初に行うべきは、徹底的なリサーチと戦略設計です。誰に(Who)どんな価値を(What)届けるかを定義します。
1. ターゲット(Who)のインサイトを探る
インサイトとは、顧客自身も気づいていないような深層心理や本音のことです。
例えば、ダイエットしたいという顕在ニーズの裏側には、様々なインサイトが隠れています。
- 健康診断の数値が悪くて死ぬのが怖い(恐怖)
- 来月の同窓会で、昔好きだった人に見直されたい(承認欲求)
- 太っていることで自己管理ができないと思われたくない(プライド)
このインサイトによって、刺さる訴求は全く変わります。恐怖なら医学的根拠を、承認欲求なら短期集中・見た目の変化を訴求すべきです。ターゲットが夜な夜なスマホで検索していそうな悩みは何か、憑依するレベルで想像しましょう。
2. 提供価値(What)をベネフィットに変換する
次に、自社の商品がその悩みをどう解決するかを定義します。ここで重要なのが機能とベネフィットの変換です。
機能(Features): その商品が持っているスペック。
例:このパソコンは重さ800gです。
メリット(Advantages): 機能によって得られる利点。
例:軽いので持ち運びが楽です。
ベネフィット(Benefits): それによって顧客の生活や感情がどう変わるか。
例:カバンに入れていることを忘れるほど軽く、毎日の通勤ストレスがゼロになります。カフェでもサッと取り出せて、仕事ができる自分を楽しめます。
顧客が欲しいのは800gの物体ではなく、ストレスのない通勤やスマートな自分です。このベネフィットを言語化することこそが、LP設計の核心です。
3. 競合との差別化(USP)
「なぜ他社ではなく、御社から買う必要があるのか?」 この問いに即答できなければ、価格競争に巻き込まれます。「地域最安値」「業界初の特許技術」「30日間の返金保証」など、顧客が御社を選ぶべき明確な理由(USP:Unique Selling Proposition)を見つけ出し、言語化します。
【構成】ユーザーの感情を動かすシナリオを作る
次はそれを伝えるための構成(シナリオ)を作ります。 ここでは、BtoCや中小企業案件において圧倒的に多いスマホユーザーを意識した構成術が求められます。
1. ユーザーファーストの視点を持つ
特にBtoC(消費者向け)のビジネスにおいては、LP閲覧の8割以上がスマートフォンだと言われています。 そのため、PCの大きな画面での見た目の美しさよりも、スマホの縦長画面をスクロールした時の読みやすさといったユーザー体験を最優先に考えるべきでしょう。
具体的には、以下のようなポイントをチェックします。
・文字は小さすぎないか?(16px以上推奨)
・文章が長すぎて壁になっていないか?(3行以内で改行)
・重要なボタンは指が届く位置(サムゾーン)にあるか?
2. 感情を動かすPASONAの法則
構成には、心理学に基づいた売れる型が存在します。代表的なのが、PASONA(パソナ)の法則です。
顧客が抱えている悩みや不安を言語化し、「これは私のためのページだ」と足を止めさせます。
その悩みを放置した場合のデメリットを伝え、危機感を醸成します。あるいは悩みに深く共感し、信頼関係を築きます。
ここで初めて自社商品を登場させ、それが悩みを解決する唯一の手段であることを提示します。
なぜ解決できるのかの根拠(実績・権威性)や、顧客にとって魅力的な条件(特典・保証)を提示します。
期間や人数を限定し、人間が本来持っている損をしたくないという心理(損失回避)を刺激します。
次に何をすべきかを明確に指示し、スムーズに行動へ移させます。
このように、上から順に読んでいくだけで、自然と感情が高まり、欲しくなるような構成を作ります。
3. ファーストビュー(FV)で勝負を決める
LPの成否の7割は、ページを開いた瞬間の「ファーストビュー(FV)」で決まると言われています。 スマホの画面に収まる小さな領域で、「これは誰のための、どんな商品で、どんなベネフィットがあるか」を一瞬で理解させなければなりません。 ここに、キャッチコピー、権威性(No.1受賞歴など)、そしてアクションボタンを凝縮させることが鉄則です。
【実行】AIと人のハイブリッドで高品質×スピードを実現
設計と構成ができたら、いよいよ制作(デザイン・コーディング・実装)に入ります。 現代において、このフェーズで生産性を劇的に高めるのがAI活用です。
AI活用のポイント:効率化とアイデア出し
ChatGPTやGeminiなどの生成AIは、以下のようなタスクで絶大な威力を発揮します。
- キャッチコピーの案出し: 「30代女性向けの化粧水のキャッチコピーを50個出して」と指示すれば、数秒でリストアップしてくれます。
- 構成案の壁打ち: 「この構成で論理破綻しているところはあるか?」と客観的なフィードバックをもらえます。
- イメージ素材の生成: 撮影が難しいシーンの画像を生成したり、ダミー画像の作成を短縮できます。
人間の役割:インサイトの理解と機微の調整
一方で、AIが苦手な領域もあります。それは、人の心の機微を捉えることです。 「この言い回しだと、悩んでいる人は傷つくかもしれない」「ここは論理よりも、情熱的な言葉で畳み掛けた方が響くはずだ」。こうした微妙なニュアンスの調整や、最終的な意思決定は、経験豊富な人間のプロフェッショナルにしかできません。
AIを優秀な助手として使い倒し、浮いた時間と労力を、人間しかできない戦略のブラッシュアップや文章の推敲に全振りする。これが、低コストかつハイクオリティなLPを作る、現代の賢い制作スタイルです。
制作に入る前に確認!失敗しないLPのチェックリスト


ここまで、売れるLPの作り方について解説してきました。 では、いざ実践となったとき、「今作ろうとしているLP(または制作会社から出てきた提案)は本当に大丈夫なのか?」と不安になることもあるでしょう。
そこで、制作に入る前(または発注前)に、必ず確認していただきたいチェックリストをご用意しました。 この10項目は、私たちがプロとして現場で必ず確認している成果を出すための最低条件です。
戦略・設計
- 誰に(ペルソナ)が具体的ですか?
- NG:「20〜40代の女性」
- OK:「30代後半、子育てと仕事の両立に悩み、時短美容を求めているワーママ」
- 何を(ベネフィット)」が明確ですか?
- NG:「高性能な掃除機です」
- OK:「掃除の時間が半分になり、コーヒーを飲む余裕が生まれます」
- 競合との違い(USP)は一言で言えますか?
- NG:「親切丁寧で品質が良いです」
- OK:「地域で唯一、24時間365日緊急対応可能です」
- ゴール(CV)は絞れていますか?
- 電話、LINE、資料請求、購入…と欲張っていませんか? 出口は一つが原則です。
構成・デザイン(ユーザーを逃さない工夫がありますか?)
- ファーストビューで「何屋さん」か3秒で分かりますか?
- パッと見て商品とメリットが伝わらない画像は、ただの雰囲気作りです。
- 顧客視点で見たとき、文字が小さすぎませんか?
- PC画面で確認して満足していませんか? 顧客目線で確認しましょう。
- 自分語りより顧客の悩みが先にきていますか?
- 会社の挨拶から始めていませんか? まずは「こんなお悩みありませんか?」と寄り添うことが先決です。
- 信頼できる「証拠」はありますか?
- 「お客様の声」「受賞歴」「メディア掲載」「数値データ」など、客観的な証拠が必要です。
- オファー(特典)は魅力的ですか?
- ただ「申し込む」だけでなく、「今なら〇〇」「初回限定〇〇」など、今すぐ動く理由がありますか?
- 入力フォームは簡単ですか?
- 住所やフリガナなど、不要な項目まで聞こうとしていませんか? 項目は少なければ少ないほどCV率は上がります。
チェックリストで「NO」が3つ以上ある場合は、一度立ち止まって戦略を見直すことをお勧めします。
不安要素を残したまま制作を進めてしまうと、期待したような反応が得られず、結果として成果が出るまでに遠回りをしてしまう恐れがあるからです。
自社で作るか? プロに頼むか? 失敗しないパートナーの選び方
上記のチェックリストを見て、「自社で全てクリアするのは難しそうだ」「戦略部分から誰かに相談したい」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。その場合は、制作会社などのプロに依頼するのも一つの賢い選択です。
ただし、制作会社ならどこでも良いわけではありません。「言われた通りに作るだけの会社」を選んでしまうと、結局チェックリストの項目は埋まらないままです。
最後に、「売れるLP」を一緒に作ってくれるパートナーを見抜くための質問をご紹介します。見積もりや相談の際、この基準で相手を見てください。
売れるLPを作るパートナーを見抜く5つの質問
- Q1. デザインの話より先に、ビジネスの課題を聞いてくれますか?
- 「どんなデザインが好きですか?」といきなり聞く会社は要注意。「誰に何を売りたいか」「なぜ今売れないのか」という戦略から入る会社を選びましょう。
- Q2. ユーザー体験を最優先にしていますか?
- デザイン案ばかり見せてくる会社は注意。ユーザー行動を深く理解していない可能性が高いでしょう。
- Q3. 耳の痛いことでも反対意見を言ってくれますか?
- こちらの要望にすべて「イエス」と言う会社は、制作はしてくれても提案はしてくれない可能性があります。
- Q4. 制作後の改善プランを持っていますか?
- LPは公開してからが本番です。「作って終わり」ではなく、データを見て修正するランディングページ最適化(LPO)の提案があるか確認しましょう。
- Q5. 実績に数字(成果)の根拠がありますか?
- デザインではなく、「CV率が○%改善した」「売上が○倍になった」というマーケティング視点の実績があるかどうかが重要です。
ランディングページ成功の鍵
最後までお読みいただき、ありがとうございます。 ここまで、LPの本質的な役割から、失敗しないための設計手順、そして品質を担保するためのチェックリストまでを解説してきました。
ランディングページは、決して魔法の杖ではありません。作っただけで翌日から売上が倍増するような奇跡は、稀にしか起こりません。泥臭いリサーチと、仮説検証の繰り返しが必要です。
しかし、正しい戦略(誰に・どんな価値を)と、適切な手法(どのように)で作り込めば、御社の商品を24時間365日売り続ける、最強の資産になり得るでしょう。
「良い商品はある。あとは知ってもらうだけだ」 そう確信している経営者様こそ、デザインの前に、まずは「誰に・どんな価値を」売るのか、その設計を見直すところから始めてみてはいかがでしょうか。
それが、遠回りのようでいて、最短で成果を出すための唯一の近道です。

