どれだけ運用を調整してもCPA(顧客獲得単価)が下がらない……
そんな悩みを抱える広告担当者は少なくありません。
広告費が高騰する今、戦い方を変えなければCPAの抑制は不可能です。
本記事では、解約率ゼロを誇る株式会社BELIFE代表の山口がデータ分析と顧客心理(N1)の両面からCPAを劇的に改善する全戦略を解説します。
CPA(顧客獲得単価)とは
CPA(Cost Per Acquisition)とは、一人の顧客を獲得するためにかかった広告費用のことです。運用型広告において最もシンプルかつ強力な数値と言えます。
どれだけ多くのクリックや表示回数を稼いでも、最終的な獲得にいくら投資したかが不透明ではビジネスとして継続できないからです。
-1024x538.png)
CPA(顧客獲得単価)を正しく把握することが、広告運用で重要になります。
CPAを下げるのが重要な理由
CPAを下げることは、広告戦略の費用対効果を評価する重要な指標です。
予算が限られている中でCPAを抑えることができれば、同じ予算内で獲得できる件数を最大化できるからです。
また、ROAS(広告費用対効果)やLTV(顧客生涯価値)と組み合わせることで、短期的な成果ではなく、長期的な収益性も評価できます。
ROASとは
-4-1024x538.png)
LTVとは
-1-1024x538.png)
業界や媒体ごとのCPA相場を分析すれば、自社の広告運用が適正かどうかを客観的に数値で判断できます。
CPA高騰に陥る理由とは?

CPAが上がり、苦しいという声をよく聞きます。
今の現状をどう考えていますか?



多くの広告運用者が「競合が増えて入札単価(CPC)が上がったからだ」と外的要因のせいにしがちですが、本質的な原因は別にあると思います。競合激化ではなく、ターゲットに対する魅力の言語化不足によるものだと考えています。



競合は、あまり関係ないということですか?



価格競争にはなりにくいです。
他社と同じような「価格」や「手軽さ」ばかりを謳っていると、ターゲットを絞り込めず、無駄な広範囲に配信してしまい結果としてCPAが跳ね上がります。CPAを下げるには、管理画面の調整以上に商品の独自価値を再定義し、「誰に・どのような価値を」言語化するという上流工程が非常に重要です。
CPAを下げるための方法
-5-1024x538.png)
-5-1024x538.png)
CPC(クリック単価)を抑制する考え方
CPCは広告への関心度を示す指標ですが、クリック後の成果は含まれません。CPAとは異なり、ユーザーが広告をクリックするまでのコストを最適化する際に活用されます。
CPCを抑えることで、より多くのユーザーをサイトに誘導しやすくなります。限られた予算で最大限のユーザーを集客できる可能性があるため、CPCの最適化が重要です。
CPCを下げる方法は、大きく分けるとCPCが安い配信面(検索広告なら配信キーワード)を選ぶ、またはCTRをあげることでCPCを抑制することの2パターンになります。ただ、CPCを意識しすぎてターゲットが少ない面に配信してしまう、過剰に注意を引くクリエイティブでCVRが大幅に低下するという懸念もございます。
そのため、配信面に合わせる、CTRをあげるということは意識しつつも根本的な部分である「誰に、どんな価値を、どのように届けるのか」という戦略設計と表示面→広告→LPの導線設計を意識することが重要になります。
CVR(コンバージョン率)を向上させる考え方
CVRを向上させるには、広告をクリックした後のLPの最適化(LPO)や、入力の壁を取り除くフォーム改善(EFO)をセットで行う必要があります。
-6-1024x538.png)
-6-1024x538.png)
集客できてもランディングページ(LP)で離れてしまったり、入力フォームが使いにくかったりすれば、ユーザーは離脱してしまうからです。
広告とLPのメッセージを一貫させ、コンバージョンまでの「面倒くささ」を徹底的に排除することが、CVR向上のポイントです。
KW管理:無駄なコストを削る
最後にご紹介する方法は、コンバージョンに繋がらない無駄な検索への配信をなくすことです。
-7-1024x538.png)
-7-1024x538.png)
運用を続けていると、意図しない検索語句で広告が表示され、無駄なクリック費用が蓄積されていくからです。これらを排除するだけで同じ予算でも有効なアクセスに回せる金額が増えます。
【具体例】 「広告代理店 乗り換え」を狙っている場合、「広告代理店 評判」や「広告代理店 メリット」といった、準顕在層や潜在層のクリックはコンバージョンに繋がりにくいことがあります。これらを「除外キーワード」としてチェックし、一つひとつ潰していく作業が結果としてCPAを下げる要因になります。
何に配信するかと同じくらい何に配信しないかを徹底管理することが重要です。
【事例】CPA改善:解約率ゼロBELIFEの実践術
【事例1】N1インタビュー:顧客との訴求合わせ



実際に顧客に対してどのように分析されるんですか?



まず、画面上だと顧客の属性はある程度しかわからないと思っています。
実際に商品を購入してくれた人にLPを見せ、商品の魅力が伝わっているかなど直接聞いたりします。また、ターゲットではないですが、近い属性の方になんで買わないのか、LPのどこが悪いのかを直接インタビューしたりします。そのうえで、顧客は良いと思ってるけど、Web上だと全然伝えられていないことや反対に自分たちは良いと思っているけど伝わっていないことなどを改善します。



化粧品を販売していた時にも、化粧品じゃない要素で刺さったりすることがインタビューを通じて初めてわかったりするので、インタビューは効果的だと思います。
(一例として、上場企業が作っているから安心して買った、ギネス記録というインパクトに惹かれて買ったなどがあります。)
【事例2】競合調査:他社体験による価値の再定義



訴求軸を整理して成果が出た、事例についても詳しく教えてください。



支援させていただいている工務店さんは「かっこいい外観」のモデルハウスを前面に出した広告を打っていたんです。ですが、私はその工務店さんの本当の強みは他にあるのではないかと考えていました。
実際に接客を受け、理想のライフスタイルを丁寧にヒアリングして限られた広さでも開放的な空間を実現する設計力だと考えました。たとえば、吹き抜けを限られた中でも作れたり、外からの視線を遮る設計にすることで、カーテンレスな暮らしを実現したり。こうした、一般的なハウスメーカーの規格住宅では提案できない暮らしの質こそが、この会社の価値だと思ったんです。



他社も比較されたんでしょうか?



もちろんです。他社のモデルハウスを何軒も巡り、実際にユーザーとして接客を受けてみました。 競合の接客を肌で感じ続けたからこそ、この工務店ならではの良さを顧客目線で言語化しました。実体験をもとに訴求を変化させ、クリック率(CTR)が従来の3倍ほど良くなり、CVRも改善したことでCPAが改善されました。
ポイント:配信面と複合チャネル



訴求軸が固まったら、どの媒体(InstagramやTikTokなど)を使うかという話になると思うのですが、どういった視点で考えますか?



実を言うと、ターゲットがある程度明確になれば使うべき媒体は自ずと決まってきます。大切なのはそこからで、配信面の精査と複合チャネルの組み合わせで、リソースをどこまで最適化できるかが重要です。



リソースの最適化とは、具体的にどういうことでしょうか?



Web広告という単体の枠組みだけで結果を出そうとするのではなく、SNS、SEO、時にはオフラインも含めて、ターゲットとの接点をどう組み合わせるか、ということです。



多くのチャネルで考えるということですか?



その通りです。特に小資本で回していく場合、潤沢な予算がある大手と同じように広告を垂れ流しては絶対に勝てません。 ユーザーはWeb広告一つを見ただけで意思決定するわけではありませんから。Web広告で認知してもらい、SEO(検索)で信頼を担保し、SNSで日常的に接触する。この全体像を設計した上で、限られた予算をどこに集中させるかを判断します。



少ない予算で最も効果的なチャネルに集中させるわけですね。



はい、同じ媒体の中でも「フィード投稿」なのか「ストーリーズ」なのかといった配信面の選定も、ユーザーの感情に合わせて細かく最適化していきます。そうやって最も獲得コストが低い場所に予算を集中させるます。
事例まとめ
1.管理画面だけでなく、N1(1人の顧客)に向き合う
2.他社を実体験し、独自価値を掘り起こす
3.小資本で、配信面と複合チャネルでリソースを最適化する



理想で行くと、100人に配信して10人が買うのではく、1人に配信して1人が買うのがいい広告と思っています。前者の場合、90人はいらないと思っているわけで、自分がユーザーとしたらネガティブな印象になることも考えられます。ただ、実際にそのような広告運用はなかなかできませんが、本当にピンポイントで買ってくれる顧客に対して刺さるコンテンツを作り届けるのが大切だと考えています。
CPA改善を成功させる運用の選択:代理店か、自社か
CPAを下げるためには、誰が戦略(上流)を担うかを明確にする必要があります。多くの企業が陥る中途半端な運用を避けるためのポイントを解説します。
広告代理店で行う場合:運用者を戦略家と勘違いしていないか
広告運用のプロだから戦略から考えてくれるだろうという期待は、多くの場合CPA高騰の引き金になります。
代理店は運用のプロと割り切る:厳しい現実として、代理店が深い上流工程(商品開発レベルの訴求設計)にリソースを割くのは、莫大な広告予算がある場合に限られます。中規模以下の予算では、彼らは入稿と調整の作業で手一杯になるのが実情です。CPAを本気で下げるなら、彼らを戦略家として頼るのではなく、こちらが設計した訴求軸を正確に媒体へ反映させる運用代理として活用するのが効率的です。
商材理解をこちらから促す: AIが自動で入札する現代、AIに何を学習させるか(=クリエイティブと訴求)に集約されます。成分名だけを並べるような浅い運用を防ぐには、ユーザーインタビューなどで得た顧客の生きた悩みをこちらから提供し、訴求の質をコントロールすることをおすすめします。
数字だけを見ている代理店を、貴社の商品を深く理解しチームへと変えられるのは、広告主側の上流工程(戦略)の精度が重要になります。
インハウス(自社)で行う場合:中途半端な運用を防ぐ
自社運用は、社内情報のスピード感では勝りますが、一歩間違えると専門性の欠如と属人化というリスクに飲み込まれます
見えないコストとしての膨大な育成負担:広告運用は未経験者を一人前に育てるには教育コストがかかります。せっかく時間と給与を投じて育てても、担当者の異動や退職が発生すれば、積み上げたノウハウは一瞬で消失します。 ノウハウの流出と採用・再教育の繰り返しによる損失は、外注費以上に経営を圧迫する大きなリスクとなります。
上流工程(仮説構築)を自社資産にする:インハウスで行うなら、管理画面を触る作業員を置くのではなく、運用を開始する前の徹底したヒアリングと市場調査に基づいた上流設計を社内ノウハウとして言語化し、蓄積できるかどうかが、安定した成果を出すため重要になります。
運用体制とPDCAが回る環境の構築:広告運用は、ボタン一つで明日から効果が出る魔法ではありません。仮説を立て、実行し、その結果から次の改善策を導き出す、泥臭い継続が不可欠です。インハウスの場合、継続して改善し続ける視点が欠け、短期的な数字に一喜一憂して施策を止めてしまうことが最大の失敗要因となります。PDCAが止まらないための仕組み(体制)を作れるかが、成否を分ける境界線です。
CPA改善は戦略を自社で握ること
代理店に依頼するのであれば的確な指示出しが、インハウスで行うなら継続できる体制が不可欠です。どちらの道を選んでも、顧客の悩みを言語化し、どう勝つかのシナリオを描く(上流設計)という核心部分を、企業側が責任を持って握り続けることが、CPAを根本から改善する唯一の手段です。
もし、自社内に戦略を描けるリソースやノウハウがなく、戦略の再構築が必要なのであれば、探すべきは広告代理店ではなく伴走者です。
代理店と伴走者の違い:一般的な代理店はいかに効率よく広告運用をするかのプロですが、伴走者はいかに貴社の目標を達成させるかのプロです。
作業代行ではなく戦略の共有:単なる運用代行(作業の受け皿)に上流を期待しても、予算規模によるリソースの壁に突き当たります。そうではなく、貴社の商品を深く理解し、N1インタビューや市場調査の段階から一緒に汗をかいてくれる、あるいはその「やり方」を自社に定着させてくれるパートナーを選んでください。
まとめ:CPAを下げ、事業を成長させるために
CPAが下がらないという課題の本質は、広告の管理画面ではなく、その手前の上流工程(戦略)にあります。今の時代、AIが自動で入札を最適化してくれるからこそ、人間が担うべき役割はテクニックから顧客視点で考えることへとシフトしています。


画面ではなく現場に答えを求める
どれだけ管理画面の数字を眺めても、顧客がなぜ買ったのか、なぜ買わなかったのかの真実には辿り着けません。N1インタビューを通じて、商品の真の魅力を顧客の言葉で捉え直し、競合他社を実体験することで自社だけの独自価値を再定義してください。この泥臭い現場調査こそが、他社を圧倒するクリエイティブの源泉となります。
リソースを分散させず、集中させる
小資本で大手に勝つには、全方位への配信は厳禁です。ターゲットの心理状況に合わせて配信面を徹底的に精査し、SNSやSEOを組み合わせた複合的な接点を設計してください。広く届けるのではなく、最も獲得コストが低い場所の面にリソースを集中させることが、CPA改善の最短ルートです。
戦略を自社のコア資産にする
広告主が戦略を代理店に丸投げしているうちは、本質的な改善は望めません。代理店を高度な運用パートナーとして活用するためにも、企業側が「誰に・どんな価値を・どのように」という戦略の主導権を握る必要があります。自社で戦略を描くのが困難な場合は、代行業者ではなく、共に思考しノウハウを定着させてくれる伴走者を選んでください。
お問い合わせ
株式会社BELIFEは、単なる広告の運用代行を行うだけの会社ではありません。 弊社では、N1インタビューによる顧客目線の言語化や、現場主義の競合調査に基づいた上流工程からの戦略設計を最大の強みとしています。
- 「代理店に丸投げしているが、数字の報告を受けるだけで手応えがない」
- 「小資本でも、大手ハウスメーカーや競合他社を圧倒する勝ち筋を見つけたい」
そんな悩みをお持ちの方は、お気軽にお悩みをお聞かせください。

