【企業紹介】福世オートサービス|車を通して笑顔と感謝を。街の頼れる車の病院

【企業紹介】福世オートサービス|車を通して笑顔と感謝を。街の頼れる車の病院

静岡県吉田町で長年、地域密着の自動車整備工場を営む福世裕子さんにお話を伺いました。 自動車整備や車検と聞くと、「どこの工場に頼んでも同じ」「効率よく、安く早く済ませたい」といった、どこか無機質なイメージを持たれる方も多いかもしれません。しかし、福世オートサービスが紡ぐ物語は、そうした効率至上主義の業界セオリーとは一線を画しています。

車という存在を通じて、お客様の人生に笑顔と感謝を届ける場所でありたい。 その純粋な志を掲げるのは、業界でもまだ珍しい女性経営者である福世さんです。前社長である父とは異なり、自身は整備士の資格を持っていません。だからこそ、「自分に何ができるのか」を泥臭く自問自答し、現場を支える頼れる仲間(従業員)と固い絆で支え合いながら、独自の経営スタイルを築き上げてきました。

今回は、男社会と言われる自動車業界での葛藤、見た目の華やかさよりも本質的な価値を重んじる引き算の決断、そして地域や未来の世代へと繋ぐ温かい志について、じっくりとお話を伺いました。

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目次

開業から事業承継へ。資格を持たない女性社長が直面した男社会の壁

福世オートサービスの整備画像

―― 本日はよろしくお願いいたします。まずは、福世オートサービスの原点と、事業を引き継ぐことになった経緯から教えてください。

原点は、私が10歳のときに前社長である父が開業した小さな整備工場です。私は三姉妹の真ん中として育ちました。姉妹の中では一番車に関心があったこともあり、新卒ではスズキに入社して自動車の世界を学びました。その後、様々なタイミングが重なり歴史あるこの会社を私が受け継ぐことになったんです。

―― 自動車整備業界は男社会のイメージが強いですが、承継当時は苦労も多かったのではないでしょうか。

本当にその通りです。文字通りの男社会ですし、何より前社長だった父は自ら現場に立つ優秀な整備士でした。一方で、私は整備士の資格を持っていません。承継した当初は、「なぜ資格もない、車を直接治せない自分がトップにいるんだろう」「周囲からどう見られているんだろう」と深く悩み、会社に行くことすら足が重く感じてしまう時期もありました。

かつては近くのモーターズ(整備工場)に頼むのが当たり前という時代でしたが、今はディーラーや大手中古車販売店、買取専門店などの競合がひしめき合っています。昔ながらのやり方だけでは絶対に生き残れない。けれど、自分たちの強みは何なのか、迷いながらも一歩ずつ自問自答を繰り返す日々からスタートしました。

頼れる仲間と支え合う。直接治せないからこそ生まれた信頼関係

福世オートサービスの外装

―― 整備士資格を持たない中で、どのように経営されてきたのですか?

自分で直接車を治せないという事実は変えられません。だからこそ、私は現場を支えてくれる社員(従業員)の存在を、誰よりもリクエストし、大切にしようと心に決めました。私が手を出せない部分を、プロフェッショナルとして完璧にこなしてくれる従業員の皆さんは、私にとって本当に頼れる仲間です。

―― 代表と社員の皆さんの間で、素晴らしい支え合いの形ができているのですね。

はい。個人経営だった昔のやり方とは異なり、今は専門家の方々の力も借りながら、誰もが働きやすい組織の仕組みづくりを進めています。 私が現場のプロたちを全面的に信頼して任せることで、社員同士でも自然とお互いを認め合い、助け合うカルチャーが育ってきました。社内のコミュニケーションはどこよりも風通しが良く、強固なチームワークが生まれたのだと感じています。

利益や外見の効率を追わない。目の前のお客様の不安を解消するという誠意

福世オートサービスの内装

―― 経営において、他店と差別化している福世オートサービスならではの軸は何でしょうか。

一言で言えば、目先の利益や効率に全振りしないということです。 例えば現在の自動車業界では、中古車販売に大きなリソースを割いて回転率を上げることで利益を生み出すのが主流となっています。また過去には、補助金を活用して、今風のおしゃれなオフィスや外観に会社を丸ごと改装しようと計画し、実際にトライしたこともありました。

―― 華やかな外見や、高い利益を追う誘惑は経営者として大きいですよね。

大きいと思います。でも、計画を立てて数字を見つめ直したとき、ふと立ち止まったんです。「もしこの計画が私の予想通りにいかなかったとき、本当にお客様や社員が笑顔になれるだろうか?」と。 見た目をおしゃれに着飾ることや、新しい事業で派手に稼ぐことよりも、私たちが一番大切にしなければならないのは困っているお客様が来たときに、すぐに最優先で対応できる時間的なキャパシティを確保しておくことであり、お客様の日々の不安を解消する確かな整備技術という本質的な価値です。

利益を優先するあまり、これまで支えてくださった既存のお客様に向き合えなくなったり、無理な投資で社内から笑顔が消えてしまったりするのなら、それは私が望む経営ではありません。だからこそ、やめるべきものはやめ、維持すべきものは意地でも維持する。世の中の流れには乗っかりつつも、自分たちの理念の軸だけは絶対にブレさせないと決めています。

―― 車の病院としての誇りがあるからこその、決断ですね。

私たちは、自分たちの仕事を車の病院だと考えています。人間と同じで、車も同じ車種であっても、乗る人や日々の乗り方によって状態は一台一台すべて異なります。気になる音がするとお客様が来られたとき、その原因を徹底的に突き止め、実直に整備する。車の構造は一般の方には見えない部分が多いですが、車検や整備を終えてお戻しした際に「すごく走りやすくなったよ!」「綺麗にしてくれてありがとう」と笑顔で喜んでいただけたとき、社員たちの胸に誇りとやりがいが宿ります。

お客様が私たちを頼るときは、「事故に遭った」「故障した」「警告灯がついて不安」という、困りごとを抱えている瞬間です。先代の父が亡くなったとき、お客様から「おじいさん(先代)には本当にお世話になった。困って電話したらすぐに駆けつけてくれて、あのとき本当に助かったんだよ」というお声を何度もいただきました。そのバトンを継いだ私も、お客様の日常の不安を解消し、笑顔で気持ちよく帰っていただくトータルカーライフサービス(販売・車検・整備・保険)を愚直に守り続けたいと思っています。

地域の声、子どもたちの未来を吸収する異業種・地域との深い繋がり

―― 地域密着のモーターズとして、意識されていることはありますか?

私は地域との繋がりや、異業種の方々との交流、勉強の場に積極的に足を運ぶようにしています。例えば、地元のクラフトフェアのようなイベントに運営から関わったり、医療や教育、行政の方々との合同イベントに参加したりしています。同業者だけの集まりにいると、どうしても業界の固定観念に縛られてしまいがちですが、異業種の方と話すことで今、世の中の人々が本当に求めているものが見えてくるんです。

―― 具体的に、地域活動からどのような気づきを得ているのでしょうか。

特に小学生を対象とした地域の取り組みに関わる中で、「今の教育現場はどう変わってきているのか」「子どもたちが今、どんな課題を抱えていて、何を必要としているのか」を肌で感じることが増えました。 私たちはただ車を修理するだけでなく、地域に根ざした一企業として、子どもたちやその親御さんの世代に何を与えられるかを常に考えています。時代と共にどんどん変化していく地域のニーズをダイレクトに吸収し、それを社内の働き方やサービスのアップデートへと還元していく。この循環があるからこそ、私たちは地域に深く根を張り続けることができるのだと信じています。

1人ひとりが輝ける器を育てる。これからの福世オートサービスが目指す理想像

創業40年を迎える福世オートサービスと共に成長する木
創業から共に成長する木

―― これから10年、20年、30年と続いていく中で、どのような理想の会社像を描いていますか?

会社の規模を大きくして頭でっかちになるのではなく、社員一人ひとりが最大限に力を発揮し、輝ける職場環境を追求し続けることです。 人間には誰しも個性があり、得意なこともあれば苦手なこともあります。できないことをただ許すのではなく、できない部分は他の仲間が補い合い、その分、得意な部分でそれ以上に輝いてもらう。そうした関係性を当たり前に作れる組織でありたいです。

―― 新しい世代の受け入れについても、深く考えていらっしゃると伺いました。

私の息子も今、電気自動車(EV)などの先端技術に対応するための資格を取るべく、専門学校の4年生として最後の1年を過ごしています。彼自身、古いものへの凄まじいこだわりや独特の個性を持っているのですが、彼のような若い世代が新しく会社に入ってきたとき、いかにぎこちなくならずに迎え入れられるか、今から心を砕いています。

経営者である私の中に母親としてのプライベートな感情が出ないように境界線を引くこともそうですし、何より、今まで会社を支えてくれたベテラン社員と、全く異なる時代を生きてきた若い世代の感性が、心地よく共存できる空気感を作らなければなりません。「最近の若い子は」と切り捨てるのは簡単ですが、それでは会社の成長も育成も止まってしまいます。

―― 経営者としての器が試される場所ですね。

本当にその通りで、私自身の器(受け入れる土壌)を育てることが、今一番の挑戦です。どんな尖った個性を持った人が入ってきても、その良さを最大限に引き立てられる器でありたい。 体と心、仕事、プライベート、そして経済的なバランス。そのすべてが健康的に回っている状態(ウェルビーイング)を社内で実現すること。それが結果として、お客様からやっぱり車のことなら、福世オートサービスに頼めば間違いないねと代々変わらず頼ってもらえる、街の磐石なモーターズであり続けることへ繋がると確信しています。

インタビューを終えて

効率やスピード、目先の数字ばかりが追い求められる現代のビジネスにおいて、福世オートサービスが大切にしている笑顔と感謝の経営は、どこか新鮮で、そして深い説得力に満ちていました。

自分が整備をできないからこそ、現場を支える社員を誰よりもリクエストし、リスペクトする」 そう語る女性社長のしなやかな覚悟と、その想いに応えて五感を研ぎ澄ます職人たちの強い絆が、この工場の最大の強みです。

大切な家族や恋人を乗せる車だからこそ、信頼できる人に預けたい。困ったときにいつでも駆けつけてくれる、地域の温かい安心感がほしい。そんな方は、ぜひ一度、福世オートサービスへ足を運んでみてください。そこには、あなたのトータルカーライフを笑顔で支えてくれる、温かい心の通った皆さんが待っています。

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