• 分析・利益改善

最終更新日:2026.07.29

SWOT分析、クロスSWOT分析の具体的な進め方とポイント

多くの企業が経営戦略やマーケティング計画の策定時にSWOT分析を取り入れています。しかし、SWOT分析やクロスSWOT分析をしても、売上や利益といった成果に繋がらないケースが頻発しています。

分析しただけで終わってしまい、絵に描いた餅になっている…

自社の強みを並べてみたが、実際の集客に活かせない…

このような課題を解決するには、教科書通りの手順ではなく、実務に即した成果の出るノウハウが必要です。
本記事では、数多くの中小企業で伴走型マーケティング支援を行い、戦略と戦術を一本の線でつないできた弊社の実績をもとに、結果を出すための具体的な進め方と本質的なポイントを徹底解説します。

この記事で
わかること

  • SWOT分析を構成する4つの要素と正しい進め方
  • 現状把握を具体的な戦略へ昇華させるクロスSWOT分析の手順
  • 分析を実際の売上・利益につなげる鉄則

SWOT分析とは?

SWOT分析とは?

SWOT分析を行う3つの目的

SWOT分析の目的は、単なる現状の可視化ではありません。目的として、主に下記の3つが挙げられます。

目的1 戦う場所の特定

自社の経営資源と市場動向を整理し、勝負すべき領域を見極めるため。

目的2 戦略策定の情報収集

顧客ニーズや競合の動きなどを収集し、次の一手を打つ材料を整えるため。

目的3 やること・やらないことの決定

リソースが限られる中小企業が確実に勝てる狭い領域を見出し、資源を一点突破で投下するための意思決定をサポートするため。

SWOT分析を構成する4つの要素

自社でコントロール可能な内部環境とコントロールできない外部環境に分け、さらにプラス要因とマイナス要因の4つに整理します。

SWOT分析

内部と外部を綺麗に切り分けるコツ

要素を分けるコツは、自社の努力や意思決定で直接コントロールできるかという基準です。内部環境は自社の状態、外部環境は自社の意思と無関係に変化する外のルールと捉えてください。

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SWOT分析の実践ステップ

SWOT分析の実践ステップ

SWOT分析を実際に進める際は、以下のステップに沿って論理的に進めていきます。

STEP1 事前準備

いきなり要素を書き出さず、まずはユーザー目線で評価項目(飲食店の例:味、価格、接客等)を整理します。また、経営者一人で分析を行うと思い込みが入りやすいため、顧客と直接接点のある現場スタッフを巻き込むことが実務では極めて有効です。

STEP2 外部環境の分析(機会・脅威)

SWOT分析は、必ず外部環境の分析からスタートします。内部環境から始めると「自社が売りたいもの」に都合の良い市場データばかりを集めてしまうためです。

STEP3 内部環境の分析(強み・弱み)

設定した観点に沿って強みと弱みを特定し、網羅的にリストアップします。

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STEP4 プラスとマイナスの両面を持つ要素の仕分け

事象によっては、機会にも脅威にもなる(あるいは強みにも弱みにもなる)どっちつかずの要素があります。これらは、どちらか一方のみに分類する必要はありません。自社にとってどちらの影響が大きいかで仕分けます。

STEP5 要素の絞り込み

出揃った要素をすべて戦略に組み込むとリソースが分散します。最終的な利益に直結するかを判断基準とし、重要な要素だけに厳選します。

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▼ 次のステップに進む前に、現在の集客状況を客観的に見直してみませんか?

現状把握を戦略へ昇華させるクロスSWOT分析

現状把握を戦略へ昇華させるクロスSWOT分析

SWOT分析で整理した現状のデータを、具体的な作戦へと落とし込む手法がクロスSWOT分析です。ここからは、単なる情報の整理で終わらせず、市場で勝つための具体的な経営戦略を組み立てていきます。

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クロスSWOT分析を行う目的

クロスSWOT分析を行う目的は、自社の状況と外部環境を掛け合わせ、限られた経営資源をどこに集中すべきかを明確にすることです。単なる情報整理で終わらせず、具体的な攻め方と守り方の作戦を導き出し、明日から現場が動ける行動計画へと進化させます。

4つの組み合わせから導き出す戦略の考え方

クロスSWOT分析において、マトリクスを埋める際、4つの象限はそれぞれ全く異なる戦略的アプローチを意味します。

クロスSWOT分析
  • ① SO戦略(強み × 機会):積極的市場進出・拡大

    自社の最大の武器を市場の追い風に向けて一気に投入し、シェアを拡大する主軸戦略です。




    経営資源の限られる中小企業が最も磨くべき領域です。他社を圧倒するレベルで突き抜けなければ、大手に勝つことは難しいです。






    【弊社の支援事例】美容室のケース






    • 強み(S):顧客一人ひとりに合わせた似合わせの提案力と、高いスタイリング技術



    • 機会(O):AI技術が一般化し、ビジネスツールとして活用しやすくなっている時代背景





    SO戦略:美容師個人の高い似合わせ技術に、AIを使った似合う髪型診断を組み合わせてサービスを展開しました。単なるトレンドとしてAIを導入するのではなく、自社の圧倒的なコアスキルと掛け合わせることで明確な差別化を図っています。




  • ② ST戦略(強み × 脅威):差別化による防衛・対抗

    迫り来る深刻な脅威に対し、自社の強みを盾として用いることで影響を最小限に抑える、あるいは自社の優位性が活きる土俵へ競合を引きずり込む戦略です。




    脅威をただ避けるのではなく、強みを掛け合わせることで競合が真似できない独自のポジションを強固にする防衛策となります。






    【弊社の支援事例】注文住宅・工務店のケース






    • 強み(S):緻密な施工フローが整備されており、品質を保ったまま自社でコストコントロールができる体制



    • 脅威(T):物価や建築資材の高騰、住宅ローン金利上昇による買い控え





    ST戦略:他社が資材高騰のあおりを受けて品質低下か値上げの二択を迫られる中、徹底した施工フローの管理能力を活かして価格上昇を抑え込みました。脅威を回避した結果、本来は高価格帯のメーカーを検討していた層が金利上昇によりターゲットとして降りてくる現象が発生。この層へ情報発信を強化し、新たな顧客層の獲得に成功しています。




  • ③ WO戦略(弱み × 機会):弱みの補完・機会獲得

    大きなビジネスチャンスが訪れているにもかかわらず、それを掴むリソースや能力が不足している際に、弱みを補強・改善して機会損失を防ぐ戦略です。




    自力で一から弱みを克服しようとすると時間がかかり、チャンスを逃します。外部パートナーとの提携やツールの導入によって迅速に弱みを補完する発想が実務上有効です。






    【具体例】




    EC(ネット通販)の需要が高まっている(機会)が、自社にノウハウがない(弱み)という場合、一から自社で学ばずに、外部の運用代行会社と組んで一気に市場へ参入する作戦がこれに該当します。




  • ④ WT戦略(弱み × 脅威):致命傷の回避・縮小撤退

    最もハイリスクな象限であり、自社の弱点がある領域に深刻な外部リスクが直撃するシナリオです。
    弱みの部分はターゲットや戦う場所を変えれば解消されることも多いため、中小企業はとにかくSO戦略(強み×機会)とST戦略(強み×脅威)の2つを集中的に洗練させ、実行に全力を注ぐべきです。




    無理に戦わず、不採算セグメントからの早期撤退を計画するか、最悪の事態を防ぐための明確なディフェンスライン(損切りルール)をあらかじめ設定しておきます。






    【具体例】




    少子化で市場が縮小している(脅威)うえに、自社商品の認知度が低い(弱み)という場合、そのエリアや商品からは早期に撤退し、別の成長市場へリソースを移す決断がこれに該当します。




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クロスSWOT分析の実践ステップ

クロスSWOT分析の実践ステップ

実務で成果を出すための具体的な手順は以下の通りです。

STEP1 マトリクスの配置

前段のSWOT分析で最終的な利益に直結すると厳選した要素だけを、マトリクスの縦軸(強み・弱み)と横軸(機会・脅威)に配置します。

STEP2 内部環境と外部環境の掛け合わせ

4つの領域について、要素同士を結びつけます。この強みをこの機会にぶつけたら何が起きるか、この脅威をこの強みでどう無効化するかと問いを立てることで、新しい作戦が見えてきます。最初は実現のハードルを考えず、自由な発想で掛け合わせのシナリオを描くことが重要です。

STEP3 戦略アイデアのブレインストーミング

交差させた各領域で、具体的な戦略アイデアを書き出します。実務において、この時の表現の具体性が戦略の実行力を左右します。

STEP4 優先順位の決定(やらないことを決める)

出揃ったアイデアを、実現可能性(自社の人材・資金・期間で回せるか)と利益インパクト(どれだけ売上・利益に貢献するか)の2軸で評価します。

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STEP5 戦術への落とし込み

最優先に選んだ戦略を、現場のスタッフが明日から実行できるレベルの戦術に分解します。その戦略を実現するためにWebサイトのどこを改修するのか、どんなキーワードでSEOや広告を打つのか、店舗の接客オペレーションをどう変えるのか。誰が、いつまでに、何をするのかまで一本の線でつなぎ切って、初めて分析が成果へと動き出します。

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▼ 顧客の本音を掴めているか、まずは御社の現在地をチェックしてみませんか?

まとめ:SWOT分析を確実な売上と利益に変えるために

SWOT分析を確実な売上と利益に変えるために

SWOT分析やクロスSWOT分析は、表を埋めるためではなく、限られた経営資源をどこに集中させて利益を出すかを決める作戦図です。現場からリアルな声を拾い上げ、経営トップがやらないことを冷徹に決断する。そして、導き出した作戦を現場の行動計画まで一本の線でつなぎ切り、定期的に見直していくことで、初めてマーケティングが成果へと動き出します。

客観的な強みの見極めや、具体的な作戦への落とし込みが難しいと感じる場合は、外部のプロを頼ることも有効な選択肢です。

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株式会社BELIFEでは、戦略の策定から現場の戦術まで、一本の線でつなぐ伴走型のマーケティング支援を行っています。現状のマーケティングに課題を感じている経営者の方は、お気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

溝辺悠真

溝辺悠真
ミゾベ ユウマ

静岡県浜松市在住。地元の大学に通いながら株式会社BELIFEでインターンをしています。 鍼灸師を目指しており、将来は不定愁訴や睡眠障害といった原因がはっきりしない不調に対して、自律神経へのアプローチを軸とした鍼灸院を経営することが目標です。 中学から陸上部に所属。現在はトレイルランニングやウルトラマラソンに取り組み、全国各地の大会に挑戦しています。