ユーザーインタビューのやり方|顧客の行動理由を事実から読み解く4ステップ

本記事では、BELIFE代表・山口が支援現場で実践しているユーザーインタビューの方法を、準備から質問設計、当日の進め方、分析までの手順に沿って解説します。依頼文や質問リストのテンプレートも掲載しているので、そのまま実務に使えます。
この記事でわかること
- ユーザーインタビューの目的と行うべきタイミング
- 対象者の選び方・集め方と質問のつくり方
- インタビュー当日の進め方と結果の分析方法
ユーザーインタビューとは
ユーザーインタビューとは、顧客一人ひとりに話を聞き、実際にとった行動やそのときの判断・感情を詳しく知る手法です。
ユーザーインタビューの目的
ユーザーインタビューの目的は、顧客がなぜその行動をとったのかを考えるための事実を集めることです。顧客は自分の行動の理由を正確に説明できるとは限らず、理由を直接聞いても「なんとなく」「安かったから」といった表面的な答えになりがちです。
そこで、いきなり理由を聞くのではなく、いつ、何をきっかけに、何をしたのかという事実から聞きます。集めた事実を見比べると、顧客自身も気づいていなかった行動の理由(インサイト)が見えてきます。
ユーザーインタビューは、次の流れの最初の段階にあたります。
1.ユーザーインタビューで事実を集める
2.事実を見比べて、共通点や違いを見つける
3.顧客の行動の理由(インサイト)を推測する
4.推測をもとに施策を考える
5.施策を試して、結果で確かめる
インタビューの場では答えを出そうとせず、事実を集めることに集中しましょう。
顧客の事実を起点にマーケティングを考える方法は、「顧客起点マーケティングとは?|顧客視点との違いや注意点を解説」で詳しく解説しています。
アンケートとの違い
アンケートとの最大の違いは、相手の答えを受けて、その場で質問を重ねられることです。インタビューでは、何をしたのかという事実からそのとき何を考えていたのかまで、順を追って聞けます。話の中で矛盾している点や表情や声のトーンが変わった瞬間も拾えます。
| 比較項目 | アンケート | ユーザーインタビュー |
|---|---|---|
| 得意な領域 | 多くの人の傾向を数で把握する | 一人ひとりの行動の背景を深く知る |
| 主に集まるデータ | 数値で表せる情報(定量データ) | 言葉や行動など数値で表せない情報(定性データ) |
| 回答を受けた追加の質問 | できない | その場でできる |
| 対象人数 | 多い | 少ない |
深掘りをしないのであれば、インタビューではなくアンケートで足ります。インタビューでは、深掘りに時間を使いましょう。
ユーザーインタビューを行うべきタイミング
ユーザーインタビューは、いつでも行えばよいわけではありません。特に効果が大きいのは、次のような場面です。
- 新商品・新サービスを開発するとき
- LPや広告の訴求を変えるとき
- 解約率を下げたいとき
- アクセス解析で、理由の分からない行動が見られるとき
共通するのは、顧客がなぜそう行動するのかが分からないと次の打ち手を決められない状態です。
たとえば、ある注文住宅の会社で見積もりを出した顧客の半数が契約に至っていないとします。数字から分かるのは、断られているという結果だけです。価格なのか、提案内容なのか、他社の対応が早かったのかは、顧客に聞かなければ分かりません。
STEP1. ユーザーインタビューの準備(依頼文テンプレート付き)

準備で最も重要なのは、何を明らかにしたいのかを先に決めることです。対象者の選び方や質問は、そこから決まります。
何を聞くかではなく、何を明らかにしたいかを決める
インタビューの準備というと、多くの人は質問を考えるところから始めます。しかし、大切なのはインタビューをしたあとにどうしたいのかです。顧客について知りたいなどという目的では範囲が広すぎて、聞くべきことが定まりません。
インタビューを設計するときは、次の4つを決めます。
- 現状の課題
- 今回明らかにしたいこと
- 聞くべき論点
- 分かったあとに何を変えるか
注文住宅の会社を例にすると、次のようになります。
| 決めること | 例:注文住宅の会社 |
|---|---|
| 現状の課題 | 複数社の比較検討の段階で、他社に決まってしまう(社内では価格が原因だと考えている) |
| 今回明らかにしたいこと | 問い合わせ前後の不安と最終的な決め手 |
| 聞くべき論点 | 問い合わせ前後に何が不安だったか、どの会社と比べたか、何が決め手だったか |
| 分かったあとに何を変えるか | 不安を解消する情報を発信する、決め手になった強みを打ち出す |
この4つが決まれば、何を聞くべきかは自然と出てきます。特に4つ目が決まっていないと、話を聞いて終わりになりやすいため注意しましょう。インタビューのような手段そのものが目的になってしまう問題については、「マーケティングの目的とは?「目的・目標・手段」の思考整理と手段の目的化を防ぐ方法」で解説しています。
対象者の選び方
対象者は、最初に決めた明らかにしたいことに合わせてさまざまな属性から選びます。購入者、検討したが買わなかった人、解約した人、長く使い続けている人などに聞くことで、属性ごとの違いから行動の理由が見えてきます。さらに、行動が極端な人を選ぶと違いがはっきりします。たとえば同じ解約者でも、2か月でやめた人と長く使ってからやめた人では、やめた理由がまったく異なります。
対象者の集め方
対象者の集め方に特別な方法はありません。顧客リストや失注リストへのメール・LINE、Webアンケートの回答者への依頼、SNSでの募集などが一般的です。
謝礼は必須ではありませんが、他社を選んだ人やすぐにやめた人など、依頼しにくい相手には用意すると協力してもらいやすくなります。目安は、時間に応じて3,000〜5,000円程度のAmazonギフト券などです。謝礼はよい回答への対価ではなく、時間を使ってもらったことへの感謝として渡しましょう。
▼ ポイント:必ず聞きたい属性から確保する
都合よく対象者が集まらないこともあるため、必ず聞きたい属性は謝礼を用意してでも確保し、それ以外は集まれば聞く、という優先度をつけておきましょう。すべての属性がそろうまで待つと、インタビューを始められません。
▼ 注意点:謝礼で集まる人に偏る可能性がある
謝礼をきっかけに参加した人の回答が、顧客全体を代表しているとは限りません。とはいえ、背景を素直に話してくれる人がほとんどなので、偏りを意識しておけば十分です。
依頼文テンプレート
依頼は、次のテンプレートをもとにメールで一斉に送ると効率的です。サービスに合わせて調整してください。
件名:サービス改善のためのインタビューご協力のお願い
〇〇様
いつもありがとうございます。〇〇(社名)の〇〇です。
現在、今後のサービス改善のため、実際にご利用・ご検討いただいた方のお話を伺っています。
〇〇様がサービスをご検討された際のことや、ご利用時に感じたことについて、お話を伺えないでしょうか。営業やサービスのご案内を目的としたものではありません。良かった点だけでなく、気になった点も率直にお聞かせいただけますと幸いです。
【所要時間】30〜60分程度
【形式】オンライン/対面
【謝礼】〇〇
以下の日程のうち、ご都合のよい日時をお知らせいただけますでしょうか。
・〇月〇日(〇)〇時〜〇時
・〇月〇日(〇)〇時〜〇時
・〇月〇日(〇)〇時〜〇時
いずれも難しい場合は、ご希望の日時をお知らせください。どうぞよろしくお願いいたします。
日程はこちらから候補を示すのが基本です。相手の返信の手間が減り、日程調整が進みやすくなります。
時間と実施形式
インタビューの時間は、30〜60分が目安です。30分でも聞くことは多いため、それより短くするのは避けましょう。
形式はオンラインでも対面でも構いません。相手の負担が少ないため、一般的にはオンラインのほうが集まりやすく、効率もよくなります。Webサービスやアプリであれば、画面共有で操作してもらいながら話を聞くこともできます。弊社の支援先でもエンジニアが同席して、顧客がアプリを操作する様子を観察したことがあります。ただし、新商品などを実際に触ってもらう場合は対面が向いています。
事前アンケートで事実を集めておく
協力してもらえることが決まったら、事前に簡単なアンケートを送っておきます。当日に事実を一から聞くと、その分だけ深掘りの時間が減ってしまうためです。事前アンケートでは、次のような事実を聞いておきます。
- 検討を始めた時期
- 検討を始めたきっかけ
- 最初にとった行動(検索した、資料請求した、店舗に行ったなど)
- 比較した会社やサービス
当日はこの回答を手元に置き、深掘りに時間を使いましょう。
STEP2. 質問の設計(質問例テンプレート付き)

質問設計で大切なのは顧客の意見ではなく、実際に起きた事実を聞くことです。そのうえで、聞く順番を意識すると答えやすくなります。最後に、そのまま使える質問リストのテンプレートも紹介します。
未来・意見・抽象ではなく、過去・経験・具体を聞く
冒頭で触れたとおり、顧客は自分の行動の理由を正確に説明できるとは限りません。そこで質問をつくるときは、次の3つを意識します。
- これからどうしたいかという未来の話ではなく、実際にどうしたかという過去の話を聞く
- どう思うかという意見ではなく、そのとき何をしたかという経験を聞く
- 普段はどうしているかという抽象的な話ではなく、前回はどうだったかという具体的な話を聞く
ここでは、コーヒー豆を販売している会社が、定期配送サービスを始めるかどうかを検討している場合を例に考えます。
▼ 悪い質問の例
「定期配送サービスがあったら、使いたいですか?」
こう聞かれると多くの人は、「あったら便利ですね」と答えます。しかし、実際に申し込むかどうかは分かりません。未来の行動についての答えは、本人の予想にすぎないためです。
▼ 良い質問の例
「前回コーヒー豆を買ったときは、いつ、どのように買いましたか?」
過去の行動を聞くと事実が返ってきます。たとえば、「豆を切らしてから慌ててネットで注文した」という答えであれば、買い忘れに困っていることが分かります。「毎回近所の店で豆を選ぶのが楽しみ」という答えであれば、定期配送の需要は低いかもしれません。同じテーマでも過去の行動を聞くことで、ニーズがあるかどうかを事実から判断できます。
事実→判断→感情→背景の順で聞く
質問は、事実→判断→感情→背景の順に組み立てると、聞きやすく答えやすくなります。最初から「本音を教えてください」「そのときどう思っていましたか」と聞いても、顧客は答えにくいためです。ただし、これは基本形です。実際には、相手の回答に合わせて順番を前後させましょう。
順番
1
事実:実際に何をしたかを聞く
最初に、顧客が実際にとった行動を聞きます。何をしたかは記憶をたどれば答えられるため、相手も話しやすく、インタビューの入り口に向いています。ここで聞いた事実が、この後の質問の土台になります。
質問例:前回コーヒー豆を買ったときは、いつ、どのように買いましたか?
回答例:豆を切らしてしまったので、スマホで通販サイトを探しました。
順番
2
判断:そのときの期待や判断軸を聞く
次に、その行動を選んだ理由や何を基準に選んだのかを聞きます。比べた選択肢やそのとき期待していたことを聞くと、顧客が何を重視しているのかが見えてきます。
質問例:いくつかのサイトがあるなかで、なぜそのお店で買ったのですか?
回答例:前にも買ったことがあって、届くのが早かったからです。
順番
3
感情:そのときどう感じていたかを聞く
判断の途中で感じていた不安や期待を聞きます。事実と判断を話したあとなら、顧客はそのときの状況を思い出しているため、気持ちも言葉にしやすくなります。
質問例:豆を切らしたと気づいたとき、どんな気持ちでしたか?
回答例:朝の一杯が飲めなくて、すごくがっかりしました。
順番
4
背景:その感情になった理由を聞く
最後になぜそう感じたのか、感情の奥にある理由を聞きます。生活の習慣や大切にしている価値観など、顧客自身も意識していなかった理由が出てくることがあります。この背景が、行動の理由を考えるための重要な材料になります。
質問例:朝の一杯が飲めないことが、なぜそこまで気になったのですか?
回答例:毎朝コーヒーを淹れる時間が、仕事の前に気持ちを切り替える大事な時間なんです。
この例では、顧客にとってコーヒーは単なる飲み物ではなく、朝の気持ちを整える習慣だと分かります。定期配送を始めるなら、配送の手軽さよりも朝の時間を切らさないことを打ち出すほうが響く可能性があります。
質問リストのテンプレート
質問リストは、検討のきっかけから利用後までの時系列で場面を区切って用意します。それぞれの場面で、前の見出しで紹介した事実→判断→感情→背景の順に掘り下げていきます。事前アンケートで聞いた項目は、当日は確認程度にとどめましょう。
検討のきっかけ
・いつ頃から検討し始めましたか?
・きっかけは何でしたか?
・最初に何をしましたか?
比較
・どんな選択肢を見ましたか?
・どの会社と比較しましたか?
・それぞれ何が違いましたか?
不安・迷い
・一番迷ったのはどこでしたか?
・一度やめようと思ったことはありますか?
・誰かに相談しましたか?
決め手
・最終的に何が決め手でしたか?
・もしそれがなかったら、選ばなかったと思いますか?
利用後
・利用前と比べて何が変わりましたか?
・期待と違ったところはありましたか?
「もしそれがなかったら、選ばなかったと思いますか?」は仮定の質問ですが、未来の希望ではなく、実際に下した判断でその要素がどれだけ重要だったかを確かめるための質問です。解約した人や買わなかった人に聞く場合は、決め手を「やめた理由」や「選ばなかった理由」に置き換えて使います。
STEP3. インタビュー当日の進め方

当日は、冒頭で目的とルールを伝え、相手の回答を受けて深掘りしていきます。記録は、録音・録画とメモの両方で残します。
冒頭で伝えること
雑談は基本的に必要ありません。相手を不快にさせない話し方は大切ですが、感謝と目的を伝えたら本題に入って構いません。冒頭で伝えるのは次の内容です。
- 時間をとってもらったことへの感謝
- 今日のインタビューの目的
- 聞いた内容を何に活かす予定か
- 録音・録画の許可とその公開範囲
- 答えにくい質問には答えなくてよいこと
- 分からないことは、分からないと答えてよいこと
特に最後の2つが大切です。インタビューを受ける人は、正解を答えなければと考えがちです。しかし、無理に答えをつくってもらう必要はありません。分からないということも大切な事実です。
相手の回答を受けて深掘りする
STEP2で用意した質問は、あくまで話の入り口です。実際のインタビューでは、相手の回答の中から気になった言葉を拾い、その場で次の問いをつくります。ただし、「なぜですか?」を繰り返すだけでは、相手は疲れてしまいます。次のような聞き方を使い分けると、自然に深掘りできます。
▼ 深掘りの質問テンプレート
・もう少し具体的に教えてください
・そのときどんなことを考えていましたか?
・その直前には何がありましたか?
・他にもありましたか?
・それが気になったきっかけは何ですか?
・もし〇〇がなかったらどうしていましたか?
・逆に、どんな条件なら選ばなかったですか?
発言と行動の矛盾を突く方法や極端な二択で価値観を引き出す方法は、「インサイトとは?|顧客の行動理由を読み解く思考法と見つけ方」で実際の会話例とあわせて紹介しています。
記録の取り方
あとで整理するときに実際の発言と聞き手の記憶が混ざらないよう、インタビューの内容は録音・録画とメモの両方で残します。録音・録画は、聞き間違いを防いで他のメンバーとも共有できるため、相手の許可が得られればできるだけ行いましょう。許可を取る際は、社内だけで使うのか、社外にも出してよいのかまで確認します。弊社の経験では、社内での利用であれば多くの人が快く応じてくれます。
メモは、聞き手とは別に記録係を置いて取るのがおすすめです。聞き手は対話に集中でき、終盤には記録係のメモを見ながら聞き忘れや深掘りが足りない点を確認できます。
STEP4. インタビュー後の整理と分析

インタビューが終わったら聞いた内容を事実として整理し、共通点や違いを見つけてから顧客の行動の理由を考えます。
聞いた内容をそのまま答えにしない
インタビューで集めたのは、ある顧客がこう話した、という事実です。それが顧客全体に当てはまる答えかどうかは、この時点ではまだ分かりません。
たとえば、1人の顧客が担当者の返信が遅かったと話したとします。ここで返信の遅さが契約に至らない原因だと決めつけて営業体制を見直すと、1人の発言だけで施策を決めることになります。まずは、この人は返信が遅かったと話した、という事実として記録し、ほかの人の話と見比べてから判断しましょう。
事実とそこから考えたこと(解釈)の区別については、「一次情報とは?マーケティングで成果につなげる集め方と活用方法」で詳しく解説しています。
表にまとめて共通点・違い・矛盾を探す
聞いた内容は、表にまとめて見比べます。縦に質問の項目、横に対象者を並べ、それぞれの発言を書き込みます。
ここでは、STEP1で例に挙げた注文住宅の会社が、他社に決まってしまう理由を探るためにインタビューした場合を考えます。社内では、価格で負けているのではないかと考えていました。
| 項目 | Aさん(自社で契約) | Bさん(他社で契約) | Cさん(他社で契約) |
|---|---|---|---|
| 一番の不安 | 総額がいくらになるか | 予算を超えないか | 後から追加費用が出ないか |
| 決め手 | 担当者の人柄 | 価格 | 最初の面談で総額の目安が分かった |
| 価格について話したこと | 他社と大きな差はなかった | 最終的な見積もりは他社とほぼ同じだった | 他社より少し高かったが納得できた |
| 印象に残った対応 | 打ち合わせが丁寧だった | 初回の面談で資金計画を出してくれた | 費用の内訳を最初に説明してくれた |
この表を、共通点・違い・矛盾・仮説とのギャップの4つの観点で見比べると、次のことが分かります。
- 共通点:3人とも、一番の不安はお金の見通しだった
- 違い:自社で契約したAさんは担当者の人柄を、他社に決めた2人は最初の段階での費用の説明を挙げている
- 矛盾:Bさんは決め手を価格と話しているが、見積もりは他社とほぼ同じだったとも話している
- 仮説とのギャップ:価格で負けていると考えていたが、他社に決めた2人はどちらも、早い段階でお金の見通しを示されたことを挙げている
ここから、他社に決まる理由は価格そのものではなく、お金の見通しが早く分かるかどうかではないか、という推測が立ちます。値下げよりも、初回の面談で総額の目安を示すほうが効果的かもしれません。ただし、これはまだ3人の話から考えた推測です。ほかの対象者の話と照らし合わせたうえで、実際に施策を試して成約率などの数字で確かめていきます。
▼ ポイント:傾向が見えたら、検証のインタビューに切り替える
インタビューの途中でも表にまとめておくと、はっきりした傾向が見えることがあります。たとえば、10人に聞く予定で5人が同じことを話していた場合は、残りの5人にはその傾向が多くの顧客に当てはまるのかを確かめる質問に切り替えるのも有効です。
ユーザーインタビューでやってはいけないこと
インタビュー中の聞き手の振る舞いで、特に避けたいのは次の3つです。いずれも、顧客の本当の考えを聞き逃す原因になります。
自分の仮説を証明しに行く
最もやってはいけないのが、聞き手の仮説を証明しに行くことです。たとえばSTEP4の例で、価格が原因だと考えて「やはり価格が決め手でしたか?」と聞くと、顧客は「そうですね」と答えやすくなります。こうした誘導質問では、お金の見通しという本当の決め手は出てきません。インタビュー中は顧客の言葉を集めることに徹し、どうしても確かめたいことは最後に尋ねましょう。
顧客の発言を聞き手の解釈で決めつける
顧客の話を聞き手の言葉で言い換えてまとめるのも避けましょう。言い換えた時点で、顧客が本来伝えたかった意味からずれてしまうことがあります。意味が曖昧なときは、もう少し具体的に話してもらうのがポイントです。相手が言葉にするのが苦手で会話が止まりそうなときは、言い換えを補助として使っても構いません。ただし、基本は顧客自身の言葉をそのまま記録します。
用意した質問を消化しようとする
準備した質問をすべて聞く必要もありません。大切なのは質問の数ではなく、目の前の回答をどれだけ深掘りできたかです。質問リストは、話が止まったときに戻る地図くらいに考えておきましょう。
まとめ
ユーザーインタビューは、顧客がなぜその行動をとったのかを考えるために事実を集める手法です。成果につなげるために押さえたいポイントは、次の4つです。
STEP1.準備
何を聞くかではなく、何を明らかにしたいかを先に決め、それに合わせて対象者を選ぶ。
STEP2.質問の設計
未来・意見・抽象ではなく、過去・経験・具体を聞く。事実→判断→感情→背景の順に掘り下げる。
STEP3.当日
相手の回答を受けて深掘りする。仮説を証明しに行かず、顧客の言葉をそのまま集める。
STEP4.整理と分析
聞いた内容をそのまま答えにせず、表で見比べて行動の理由を推測し、施策と数字で確かめる。
ユーザーインタビューは、知識として知っているだけではうまくなりません。まずは顧客1人に、この記事の質問リストを使って話を聞いてみてください。何度か実際に行うことが、上達への一番の近道です。

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